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フィリピン 中国漁船操業で抗議
5月23日 17時42分

フィリピンと中国の船が、南シナ海の浅瀬を巡って対じし続けている問題で、フィリピン政府は、中国政府が浅瀬周辺での漁を休止する措置を取ったあとも中国の漁船が漁を続け、緊張を高めているとして、中国側に抗議しました。

フィリピンと中国が互いに領有権を主張する南シナ海のスカーボロー礁という浅瀬の周辺海域では、双方の監視船などが1か月以上対じし、緊張状態が続いています。
中国政府は、今月16日から浅瀬の周辺海域で漁を休止すると発表していましたが、フィリピン外務省のヘルナンデス報道官は、23日、記者会見し、中国の漁船10隻以上が現在も漁を続けているうえ、21日には一時、中国側の監視船や取締船が5隻に増えたと指摘しました。
そのうえでヘルナンデス報道官は「中国は緊張を和らげたいというみずからのことばを守らなければならない」と非難しました。
フィリピン政府は、22日、マニラの中国大使館を通じて改めて中国政府に抗議したということです。
フィリピン政府は、対立の先鋭化を防ごうと、中国と同じ今月16日からスカーボロー礁の周辺海域での漁を休止する措置を取っていますが、中国側の行動に対し、国内で中国への反発がさらに強まることも予想されます。

これについて、中国外務省の洪磊報道官は「20隻余りの漁船が操業を行っており、例年の漁船の数と大きな違いはない。こうした操業は、中国の法律や休漁措置の通達にもかなっている」と述べ、中国漁船が、スカーボロー礁周辺で行っている操業は、休漁の対象となっている漁法とは別であり、問題はないという認識を示しました。
こうした発言の背景には、中国政府が、現場海域の状況を細かく把握し、休漁措置の通達が及んでいる海域だと強調することで、みずからの主権を主張するねらいがあるものとみられます。

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