国際【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 無神経な紙面2012.5.24 03:09

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【外信コラム】
ソウルからヨボセヨ 無神経な紙面

2012.5.24 03:09 外信コラム

 韓国の新聞がもつ特有の編集センスに、時々戸惑いや不快感を覚えることがある。東日本大震災では津波の被害を「日本沈没」と伝えた非常識さには脱力してしまったが、19日付の東亜日報社会面にも驚いた。

 記事は別々の記者が書いた2本を共通見出しで横に並べたもの。1本は麗水市で開催されている万博の会場へ向かっていた日本人客がパスポートなどをタクシーに忘れ、ボランティアと警察官のおかげで取り戻したというもの。もう1本はソウル観光中の日本人女性が性的暴行の被害に遭った事件記事だった。

 見出しは「一方では悪夢…一方では感動…日本人観光客が体験した韓国」。

 暴行被害の記事では状況が詳細に描かれ被害者が特定される恐れもあり、心身の二次被害が心配だ。それを「体験した韓国」とはあまりに無神経ではないか。さらに女性に代わって駐韓領事が警察に届けたことを「異例」とし、「外交摩擦」になる可能性まで“憂慮”している。そんなことがあるわけもないのだが。

 忘れ物の記事は「万博が大韓民国の水準の高さをみせる機会となればよい」というボランティアの談話で美談に仕立てられているが、2本をあわせて読むとかえって押しつけがましさだけが残り、自戒しつつも、暗澹(あんたん)たる気分になった。(加藤達也)

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