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国際
人件費急騰で「脱中国」の動き加速 日米製造業、自国に回帰
日米で製造業の「自国回帰」の動きが加速している。背景にあるのは中国の人件費高騰だ。短期的には労働コストの上昇要因となるが、日米とも「雇用を守りたい」という考えで官民が一致。工場の自動化・効率化などの生産革新で内外のコスト差を縮めるだけでなく、米国では強力な国の政策も回帰を後押しする。日本は高品質の「日本製」を前面に輸出拡大を図る構えだ。先進国の宿命ともいえる産業の空洞化に立ち向かう試みがいま、成果を上げつつある。
国内の雇用を重視
「この会社は、国外よりも米国内の雇用を重視しているだけでなく、『メード・イン・アメリカ』と刻印された製品を中国の顧客に販売している」
米ウィスコンシン州ミルウォーキーにある米錠前大手「マスターロック」の工場を2月に視察したオバマ米大統領は、生産拠点を中国から移した同社を手放しで称賛した。
11月に迫る大統領選での再選を目指すオバマ大統領は、景気回復の鍵を握る製造業を政策面で後押しする。1月の一般教書演説では「米国に製造業を取り戻す」と宣言。国内雇用を広げる企業への税制優遇を打ち出した。四半世紀ぶりの法人税改革案も発表し、法人税率を最大28%まで原則引き下げるという。
ミシガン州デトロイトでも「エレメント・エレクトロニクス」が、米メーカーとしては実に17年ぶりとなる自国でのテレビ生産を今年から始めた。世界最大の建機メーカー、キャタピラーは今年半ばにテキサス州で新工場を建設する計画だ。
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