部品発注後にキャンセル、サムスン電子に課徴金

 韓国公正取引委員会は22日、サムスン電子が2008年から11年にかけ、取引先企業に部品を発注した後、不当に発注を取り消していたとして、課徴金16億ウォン(約1億1000万円)の支払いを求めた。企業の発注取り消しを理由に公取委が課徴金を適用するのは初のケースだ。

 サムスン電子に部品を供給するA社は、2年前の10年初め、サムスン電子の調達担当者から「生産計画の縮小で、部品発注を取り消す」との電話連絡を受けた。A社は既に部品の生産を終えている状態で、しかも他社との互換性がないため、代替納入先を確保できなかった。A社は契約通りの納品を要求したいところだったが、取引関係が断たれることを恐れ、泣く泣く同意した。サムスンは数日後、別の部品を代わりに発注したが、発注額は当初の半額程度で、A社は結局数億ウォン(数千万円)の被害を受けた。

■不当キャンセル、3年で2万8600件

 公取委はサムスン電子が過去3年間に行った150万件に上る発注内容を細かく調べ、2万8574件の不当な発注取り消しがあったことを確認した。総額は600億ウォン(約41億2000万円)相当で、いずれも取引先に責任はなく、特定機種の生産停止などサムスン電子側の事情によるものだった。

 公取委は「取引先が製品の生産済みだったり、生産準備を終えていたりする段階でサムスン電子が独断で発注を取り消したのは、明らかに下請け法違反だ」と指摘した。

■サムスン、公取委に反発

 これに対し、サムスン電子は報道発表を通じ、公に反論している。同社は「発注取り消しは下請け企業の同意に基づくもので、同意しない企業については、廃棄処理を覚悟で納品を受け入れた」と説明した。

 サムスン電子は、公取委が発注取り消しと判断した2万8574件のうち、14.2%に当たる4051件は、発注取り消し後に取引先が同意せず、納期後に発注製品を受け取り、代金を支払ったケースだと指摘。残る2万4523件のうち78.4%の1万9234件に関しては、再発注が行われ、残る21.6%に当たる5289件については、取引先が完成品を生産していなかったため、直接被害はなかったとした。

パク・ユヨン記者
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