野田政権による「福島復興再生基本方針」の素案が23日、明らかになった。東京電力福島第一原発事故の被害を受けた福島県の復興と再生に向け、財源確保など国の責任を明確化。県の要望を取り込み、住民の健康調査や「脱原発依存」のまちづくりを後押しする。6月中旬に閣議決定する方針。
福島県は原発に雇用や財政を依存してきた。基本方針では「原発に依存しない社会を目指す理念を尊重する」として、再生可能エネルギーや医療産業の拠点整備を国が支援する方針を打ち出した。こうした拠点を新たな雇用確保につなげる考え。電源立地交付金に代わる財政支援は「2013年度予算で速やかな実現を検討する」と記した。
放射線による健康不安に対応する必要性も強調。震災発生時に18歳以下だった住民の甲状腺検査も国が支援する。2014年3月末までに終え、それ以降は20歳以下が2年ごと、21歳以上が5年ごとに実施。全県民を対象にした放射線の影響調査、避難住民には中長期的な健康調査も行う。