東京電力福島第一原発事故による国内外の外部、内部被曝(ひばく)線量の推計結果を、世界保健機関(WHO)が23日公表した。全身の被曝線量は、原発に近い福島県浪江町などの住民は10〜50ミリ、それ以外の福島県は1〜10ミリ、千葉県や茨城県などの近隣5県は0.1〜10ミリ、東京都、大阪府など他の国内地域は0.1〜1ミリシーベルトだった。
近隣県や東京など日本全国や国外も含めた大規模な被曝実態の推計は初めて。
がんの死亡リスクが高まるとされる100ミリシーベルト以上の全身被曝が想定された地区はなかった。甲状腺被曝は最高が浪江町の乳児で100〜200ミリシーベルト。甲状腺がんが多発したチェルノブイリの原発事故による避難民の平均490ミリシーベルトは下回った。