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転職実績・企業インタビュー

2/2ページ:Happy Author部 副部長 石田 忠司 氏

良いプロダクトを、「早く」生み出すコツは何ですか。

写真:石田 忠司 氏

やることを減らすことですね。やりたいことが1個見つかると、いろんなものを加えたくなるんですよ。でも、要らないものをまず削る作業が実は一番大事だと思うんです。「これはやらなくていい」って。実は不要なものをそぎ落とすことこそが、ユーザーへの価値だったりもするので。

「作ったものをもっと良くしたい」とか、「機能を増やしてもっと便利なものにしたい」と思いがちなのですが、やっちゃいけないことなんです、本当は。「実は、これがなくても、この課題は解決できる」ということが重要で、どんどん減らしていきます。

1人の人を深く見ることは重要なのですが、結局「そのニーズを抽象化して、どこまでシンプルに解決できるか」という視点が必須です。問題を解決するものって、意外と簡単に作れることが多いんですよ。逆に、複雑なものは作るのも大変ですし、結局何も解決できなかったりします。ディレクターの大切な仕事の一つは、「エンジニアの仕事を減らすこと」だと思っているのですが、それによってユーザーへの価値も上がることが多いからなんです。

ディレクターとして、良いものを作るためには、優秀なエンジニアと組むことが重要ですね。

そうですね。クックパッドのエンジニアは、「これだ」という得意分野を持っている、優秀なエンジニアなので、その点はありがたいです。共通しているのは、良い意味で子どもっぽいところですかね。面白いことには、とことん熱中するところが特に(笑)。

だからこそ、エンジニアの力を最大限に引き出すことも、ディレクターの重要な仕事の一つです。先ほどお伝えしたように、僕自身は、「エンジニアの仕事をどれだけ減らせるか」ということを強く意識しています。

他の会社では、ディレクターの評価指標として、エンジニアの稼働率が掲げられているところもあるようです。エンジニアの稼働率が低いと「もっとエンジニアに何かやらせなさい」みたいなことを言われて、怒られちゃったりするらしいですからね。僕自身も以前は、「いやー、エンジニアの手が空いちゃったな」と思うと、どうでもいい仕事を思いついてしまうんですよ、仮説も特になく。「あれちょっと作ってみてくれません?」といったように。今は、エンジニアの貴重な能力は「課題解決に直接つながること」に集中してもらうのが一番いいと思っています。

バックグラウンドや、ご志向等、「こういう人がクックパッドのディレクターに向いている」というものがあれば、教えて頂けませんか。

写真:石田 忠司 氏

ディレクターの定義が良い意味でも曖昧なので、ターゲットとなる人物像はかなり広いんじゃないでしょうか。クックパッドにも色々なタイプのディレクターがいますよ。数字から見たり、プロセスをしっかり作っていくタイプもいれば、ユーザーへの共感が強くて「こういうものが欲しいはずだ」といったところを導き出すのが抜群にうまいディレクターもいます。必ずしも、ユーザー像とイコールである必要はないです。僕自身、料理を作ってあげる旦那さんは当然いないですから(笑)。そういう意味では、主要なユーザー像とは一致しませんからね。

あとは、やはりインターネットが好きな人ですね。「インターネットって何が面白いんだろう」というのが分かってる人がいいと思います。「インターネットだったらこういうことができるよね」、とか、「こういうものと相性がいいよね」というのを、肌感覚として持ってる人は、おそらく向いていると思います。
技術的やロジックだけで解決するというアプローチは限界に来ていると思うんですよ、個人的には。
ユーザーが「こうしたら面白いんじゃないの」といった投げかけをすると、他のユーザーがそれに乗っかって、「いいね」「じゃ、こういうのはどう?」って、どんどんつながっていく。人が発した情報の価値をまとめて、変換して、届けるというサービスはセンスがいいなと思っています。こうしたことを面白がって考えられる人は、かなり向いているんじゃないかと思います。

最後に、クックパッドで働く「面白さ」をぜひ教えてください。

写真:石田 忠司 氏

一つ目は、「まだインターネットの活用度が比較的低い人たちに、サービスを提供するという面白さ」ですね。インターネット人口自体はずっと増えていて、数値的にはもう上限まで来ているように見えますけど、ネットの活用度には、すごく差があると思うんです。活用度が必ずしも高くない層が、どうやったらインターネットをうまく使えるようになるんだろう、というところは、今後絶対伸びていくはずです。正直いって、世の中にあるウェブサービスは「ウェブの決まりごとが分かってる人」には使いやすいですが、本当に万人が使えるかというと、まだまだ程遠いと思うんですよね。クックパッドはそういうところがとても得意だと思うんですよ。

クックパッドのユーザーさんはある意味シンプルで、本当に価値があるものでなければ全く反応せず、逆に、生活を変えるような価値あるものだと一気に使われる、という、その繰り返しですから、手ごたえがかなりあります。イマイチな機能だと「ホントにユーザーさんに見えているのかな?バグって表示されていないんじゃないかな?」ってくらいレスポンスがないですから(苦笑)。でもそういうダイレクトなフィードバックを繰り返し受けながら、インターネットのヘビーユーザーではない人までファンにしていくというのは、本当にやりがいがありますね。

二つ目は、料理というテーマほど、生活に根付いたリアルなものは他にないんじゃないか、ということです。クックパッドのユーザーさんの行動には、必ず文脈が感じられるんです。「なぜ、こういう機能が人気なんだろう」とか、逆に「なぜ使われないんだろう」と分析していくと、「あ、子供がこうで、とか、だんなさんがこうだからか!」とか「あ、こういうデータが出ていたのは、こういう生活をしているユーザーさんがいるからなんだ」といった文脈が必ず見つかります。クックパッドのサービスそのものの裏側に、確実に「生活」というものが存在しているというのが、面白いところだと思いますね。

実は私は、最初からクックパッドに強い興味があった訳ではないんです。「レシピサイトでしょ?」というだけの認識でしたから。でも、入社してから改めて驚いているのは、レシピが持つポテンシャルです。レシピというのは、実は食の一番中心にいるんですよ。レシピ次第で買うものが決まるし、レシピ次第で人の生活が変わります。レシピが本当に食の中心にあるからこそ人はお金を使うし、他の領域への広がりもあります。クックパッドの面白さや今後の可能性というのは、レシピという非常に重要な価値を軸にして、ユーザーと関わっているという点にあると思っています。

本日は、興味深いお話をありがとうございました。

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