特集ワイド:活断層って何? 地層ズレ、大地変形…「M8級」の恐れも
2012年05月23日
渡辺満久・東洋大教授(変動地形学) 日本原子力発電敦賀原発(福井県)は、原子炉建屋直下にある「破砕帯」という断層が活断層の可能性が高いとの指摘を受け、破砕帯の掘削調査を行うことにしました。破砕帯は、断層が動いた時に岩が砕けたもの。原子炉建屋から250メートル離れたところを活断層の浦底断層が通っており、破砕帯はそこから分岐するように延びています。浦底断層が動けば連動する可能性が高く、土地の変形で原子炉建屋が破損する恐れがある。原電は活断層ではないと言うために調査を継続していますが、これは学問ではなく安全にかかわることなので、現時点で廃炉の決断をすべきです。たとえ停止中でも、配管などが壊れると大変なことになります。
日本原燃の核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)がある土地は、地中の活断層が動いた場合の特徴であるたわんだような膨らみが明確にみてとれます。これは私たち複数の変動地形学者が指摘し、この論文は日本活断層学会の学会誌にも掲載されました。しかし、原燃や原子力安全・保安院、原子力安全委員会は「地震とは関係がない」と耳を傾けようとしません。