特集ワイド:東大よ!秋入学考えてる場合か
毎日新聞 2012年02月08日 東京夕刊
英ロンドン・タイムズの「世界大学ランキング」最新版で、東大は30位。日本の受験勉強が昔ながらの知識詰め込み暗記型なのに、既に中国や韓国、インドは近年の教育改革で、自ら課題を発掘し解決する能力を伸ばす方向に転換している。相対的に日本の高校生のレベルが落ちる中、大学側にはグローバル化して優秀層を集めなければ、これまでの研究レベルを維持できないという危機感があるのね。
かつて大学の「レジャーランド化」が指摘されたけど、今はむしろ学生はまじめで、閉鎖的な環境に引きこもりがちです。留学の機会があっても「不況時に留学したら就職に不利だ」と恐れて行かない。東大でさえ、海外留学する学生は、全学部生の0・4%に過ぎない。
ところが実は、内向きは企業のニーズと合わない。それは既に新卒大学生の就職率低迷に顕著で、就職できない東大生も少なくないわ。国内大手企業で言えば、パナソニックの内定者の約8割は外国人。母国語はもちろん日本語と英語が堪能で、プレゼンテーション能力や協調性なども高いとなれば、結果は明らか。日本人学生は、「3K」職場に追いやられていく時代です。