特集ワイド:東大よ!秋入学考えてる場合か
毎日新聞 2012年02月08日 東京夕刊
でも東大だけが悪いのではありません。この「東大的なもの」は日本の大学でどこにでも見られます。だから大学教員の選考過程をより厳格にして、さらに海外の優秀な研究者にもっと門戸を開く。また、教授になっても、その地位に安住しないように競争原理も導入すべきです。
一方、学生の側で言えば、入試制度を根本的に変えることも必要です。現在は「知識詰め込み型」ですが、こんな試験で育った人間が、世界の舞台で通用しないのは明白です。だからこれをもうやめて、米国やフランスで実施されているような一定水準の学力が認められれば入学できる「最低水準型」にすべきです。今後日本で少子化が進めば、1人で2人分、3人分の価値のある仕事ができる人材が増えなければ、現在の国力は維持できない。クリエーティブな人材をいかに育てるかが喫緊の課題です。
そうなると日本の初等教育から再編成することも考えねばならない。東大には、ここまで提言してほしいですね。
秋入学で生じる「ギャップターム」が問題点として指摘されていますが、学生が課題を見つけて取り組めるようにすればいいだけで、大きな問題ではないと考えます。
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