“生活保護”モラル崩壊!若者が不正受給でグーダラ生活
夕刊フジ 5月23日(水)15時41分配信
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次長課長の河本準一 |
「抵抗なんて感じませんよ。『もらえるもんは、もらっちゃおう』ぐらいの感覚ですね」
関西のとある港町。古びたマンションの一室で、男性A(29)は、こともなげに言い放った。
20歳からナマポを受け始めた。月額約13万円の保護費が主な収入源。これまでに定職に就いたことはない。
現在のような生活を送るようになったのは、精神科の病院を受診したことがきっかけだ。
「『気分が落ち込んでしようがない』って言ったら、鬱病と診断されちゃって。本当はそこまで深刻じゃなかったんだけど。これからどうしようかな、と思ったときに友だちが、ナマポ受給の方法を教えてくれたんです」
友だちからは、まず精神障害者保健福祉手帳(通称・障害者手帳)をもらうことを勧められた。
障害者手帳は「精神保健福祉衛生法」に基づく制度で、条件を満たせば、基礎年金(年額1級98万3100円、同2級78万6500円)の受給などさまざまな福祉サービスを受けられる。
ただ、ナマポの年間受給額より下回る場合があるため、障害年金は受けずに、この手帳があることで通りやすくなる生活保護制度を利用する…。
実際、Aはこの手帳を得て、ナマポの受給者になった。
「ナマポだと、年額100万円以上の“収入”が期待できるし、医療費や介護費、さらにはNHKの受信料、住民税、国民年金までもが免除される。だから(障害年金より)圧倒的にお得。医師の診断書があれば(障害者)手帳は比較的簡単にもらえる。手帳があれば、ナマポは受けやすく、手っ取り早いやり方だよ」(A)
ネットでは、このような不正受給のノウハウの情報交換が盛んに行われている。なかには、マニュアル化して「冊子として販売しているケースもある」(ネットユーザー)から驚かされる。
関東在住の男性B(27)も制度の不備を突いて、3年前から不正受給を続けている。
「全身に入った入れ墨のおかげだね。手や首もとにも入っているから服では隠せない。『これじゃあ、まともに働けません』って言ったら受給がすんなり認められた。同じようなケースは結構あるみたいだよ」
Bは、不定期で入る土木関係の仕事で臨時収入を得ている。報告義務があるが、「給料は取っ払いでもらってるからいちいち申告しない」と平然と語る。
厚生労働省によると、今年2月に全国で生活保護を受けた人は209万7401人。昨年7月にそれまで過去最多だった1951年度を上回って以降、8カ月連続で最多を更新している。なかでも18〜39歳までの若年層の増加は顕著で、リーマンショック前の2007年には14万7204人だった受給者が、09年には16万8456人にまで増えた。
生活保護制度に詳しい関西国際大学の道中隆教授(社会福祉学)は、「一部の若者たちがモラルハザードを起こして『もらえるものはもらっておけ』という風潮が、広がってきている。このままでは制度が破綻しかねない。若年層の社会復帰を促すための第2のセーフティーネットを作り、雇用環境を早急に改善する必要がある」と警鐘を鳴らす。
若くして生活保護という安易な道を選び、悪びれない若者たち。ただ、労働を介して社会貢献し、給料をもらって生活するという健全なサイクルから逸脱すると、自身の存在意義が希薄化し、かえって病んでいくという。
前出のAは「鬱病と診断されてナマポを受けられたけど、気付いたら本当に(深刻な)鬱病になり、病状はどんどん悪化していった。僕と同じように鬱病を口実に、ナマポを受けていた女のコは自殺しちゃいましたしね」と打ち明ける。
未来を担う若者に必要な保障とは何か。真剣に見極めなければならない時期に来ている。
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最終更新:5月23日(水)17時16分