特集ワイド:どうすれば安全安心 「釜石の奇跡」に貢献、片田敏孝教授に聞いた「首都直下」

毎日新聞 2012年05月09日 東京夕刊

 首都直下地震に不安を感じている方は多いでしょう。予想される最大震度が上がり、被害想定もより深刻化したのですから、「怖い」と思うのは当然の心理です。

 同時に、巨大地震が明日にも起きるかもしれない、死ぬかもしれないという恐怖の中で生きるのも無理。自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価しようとするのも人間です。

 大切なのは、やみくもに怖がったり、目を背けようとするのではなく、まず「想定とは何か」を正しく理解することなのです。「想定」とは起こりうる可能性であり、「現実」ではありません。

 首都直下の新しい想定が示される前と後で、大自然の営みは何一つ変わっていません。「いつか大きな地震がやってくる」という可能性は、ずっと以前から、そしてこれからもあり続ける。必要なのは、新しい想定によって「不安になること」ではなく「行動すること」。リスクを正確に把握し、合理的に判断することなのです。

 それぞれの土地には本来、「この辺りは地盤が弱いから家は建てない方がよい」「この斜面は崩れやすい」など代々、伝えられてきた災害文化、地元の特性があります。埋め立てなどで地形が変わったり、住民の移動も多い首都圏は、その土地に関する情報の正確さという意味では「災害に弱い」かもしれない。

 けれど、釜石市のような地方都市でも、堤防が完成して「水害はもう昔のこと」という“安全神話”を皆が信じるという現実があった。

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