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[2007/03/05]

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[2007/02/05]

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[2007/01/22]

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[2007/01/15]


2006年

【Case-29】手島美衣の場合



 今はひとり暮らしをしていますが、大学を卒業するまで暮らしていた家族は父、母、兄、祖母という平凡な家族構成で育ちました。一緒に暮らしていた祖母とは、母方のおばあさんです。私はどちらかというと祖母の性格に似ているとよく云われます。こう見えても実は女の子らしいものが好きで、それでいて楽観的(笑)

 祖母は編み物が得意。私にたくさんの編みぐるみや、クリスマスには毎年ニットのソックスを作ってくれます。愛情たっぷりで心身ともに暖かい。あれれ、母は洋裁、祖母は編み物が得意なのに私だけ不器用? そうなんです、不器用で。

 不器用だけど、そんなモノを作る環境で育ったから、どんなのがいいかな? とか発案する事は、幼い時から大好き。

 美衣(ミキ)という名前は、美しい衣服が似合うようにという意味を込められてつけられました。母が服飾関係の仕事についていたのも要因です。小さい頃から、自分でデザイン画を書いたり……それを元に母に洋服を作ってもらって、いつもラブりーな服をきてた。でも、小学校では上級生はもちろん同級生にもブリッコとか言われて、いじめられたりもしました。私のいじめられる理由は、見た目だけじゃなくて、大人しい性格もあったんだろうな。


 本当はおとなしくもないし、うるさくもない普通。うん、平均的だと思う。私も本当は友達もたくさん欲しいし、勝手に誤解だってされたくない。そのために、みんなの前でわざと下品な事をいってみたりとかもした。その時はわからなかったけど、言いたかったからというより、挑戦だったかなー。そうしたら、それが受けたのか、みんなから笑ってもらえて、いじめられなくなった、少なくとも同級生からはね。笑いをとれるってことがなんだか嬉しくて、それ以来、結局ずっと続けてたら、身についてしまったみたいで、今ではまわりからは「少しは控えめにしろ!」と言われる始末になって(笑)。

 同級生の壁は突破できても先輩からは、相変わらず意地悪されて……わりと学校の成績はよかったのに、チョイワルな友達(軽いヤンキー?)と仲がよかったから、それが先生達にも気にくわなかったみたい。辛かったな、帰宅して愛犬に泣きついてた日もあった。でもね、先輩も先生も同じ人間だし、ビクビクするのやめようと何かのきっかけで思って。そうしたら、結局はどうって事なかった。こっちが心の底から相手にしなければ、何も感じない。私はそこで、偏見や嫉妬がよくない感情だと気付いたし、自分のライバルは自分だと思おうと感じたんだと思う。それは今も変わらず思っているから。人を第一印象で判断してどうこうって言われることに対して、気にしてたらキリがないもの。



 父と兄は、世間から見たらおそらく真面目なエリートだと思う。でもね、彼らだって子どもみたいな事も言うし、間違える事だって、落ち込む事もある。そしてその世間の評価に答えたいというプレッシャーと戦うところを見てきた。だから、私は学歴や職業、有名無名で人を見たくないし、どんな人も同じように心がある人間だろうから、私は私の基準で人を好きになったり仲良くなりたいと思う。

 高校と大学は私立のミッション系女子校を選んだ。どこか同じような家庭環境と成績の子が集まる高校、大学は、女同士だったし、いろんな部分を赤裸々に見せあうことができて楽しかったし、今までのような学校での偏見もあまりないものだったし、争うのではなく、友人同士でも自立していい影響を与え合うのが楽しかったなー。女子だけの世界にいると私は居心地がよくて、身についてはいたけど、そこではもうわざと下品な事を言わなくても良かった。女同士だと隙だらけでも危険がないし!(笑)

 何でだろう。女の子は恋愛時計が24時間動いてるからかな、男の子がいない環境って、とてもオープンだったな。

 それに、自分のためにキレイになりたいという意識が高まる。私は太ってたこともあったんだ。体重に拘る無理なダイエットをし続けたり。でもしっかりリバウンドするんだよね、無理なダイエットって。楽しくやらなきゃ、続かないし、運動もしなきゃって思ってたところ、知り合いに紹介してもらってダンスを習ってみた。

 運動神経&リズム感ゼロな私に、少人数で楽しく優しくシッカリ教えてくれる先生。いつのまにか、音楽に身を任せて踊るとか、そういう事まで教えてもらえた。今は、ダンサーだったその先生からヨガを教わってます。

 ダンサーとしての先生も、もちろん魅力的だったけどヨガをして、女性から見ても憧れる媚びないボディラインになった先生はヨガで作られた体の美しさを私にみせつけてくれて、こりゃ、ついていくしかないでしょ! と思わせてくれた。私はまだまだ始めて半年くらい。でも、少し健康的になったとか友達にいわれるし、何よりもヨガの後では全てがリセットされる感じがして、体はもちろんだけど精神的にもいい。

 これから自分の体がカッコよく変わっていくことを楽しみにして、美衣と言う名前を裏切らないように、どんな洋服も似合う体と心で生きていきたいと思います!!


 美衣ちゃんの撮影は、都内下町界隈を中心に東京湾岸沿いでも展開してきた。長い手足を活かすため、路地裏での撮影は必然的に広角の24mmが中心になっていた。キヤノンの稼働率が多くなっているこの頃だが、シグマ30mmをどうしても使いたいので、装着可能なニコンボディを持ち出した。

 余程の目的がない限りは使わない長玉ズームも久しぶりに使ってみた。あまり長い画角が好きではないので、手持ち撮影でのせっかくの手ブレ補正機構を活用する機会が激減していたレンズの登場。だけどやっぱり長くて重かったので使用は1カットのみになった(笑)

 他にニコン、キヤノンともに85mmを使用したが掲載写真には選ばなかった。今回の掲載カット15点中、10カットが24mmだった。それも絞り値は開放に近いF2前後〜F4くらいでの使用が殆どだった。気に入ったのは良いが、どうやらこの組み合わせが「癖」になり過ぎている感じもする。

 この数年での下町の変化はおそろしくスピードアップしているようで、移動中に電車から見た風景や、実際に少し前に来た時に「今度のロケはこの辺りで!」なんて考えていたのに、たったの数週間で目的の建物が取り壊されたり、建て替えられたりしているのが寂しい。地方出身者のボクには「東京」=「昔の帝都」のイメージが未だ何処かに残っている部分が大好きなのだが……。


使用機材
Nikon D2X
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70〜200mm F2.8 G(IF)
SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM
Canon EOS 5D
EF 24mm F1.4 L USM
EF 35mm F1.4 L USM
EF 50mm F1.4 USM
EF 135mm F2 L USM
Sandisk Extreme III



URL
  バックナンバー
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/haruki_backnumber/



HARUKI
(はるき)1959年広島市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。広告、雑誌、音楽の媒体でポートレートを中心に活動。
1976年 個展「FIRST」を皮切りに、多数の個展、グループ展を開催。1987年朝日広告賞グループ入選、表現技術賞受賞。1991年パルコ期待される若手写真家展選出。コラボ作品がニューヨーク近代美術館に、「普通の人びと」シリーズ作品が神戸ファッション美術館に永久保存。
2005年に個展「Tokyo Girls♀彼女たちの居場所。」を東京 渋谷、2006年に京都で開催。
http://www.harukiphoto.com/

2006/11/13 00:03
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