大阪市、入れ墨職員に最高評価…児童恫喝も「業務熱心」
産経新聞 5月23日(水)15時21分配信
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入れ墨職員の評価をめぐる主な経過(写真:産経新聞) |
職員はセクハラを理由に昨年9月、停職処分を受けているが、人事評価の点数に懲戒処分が反映されない上、年1回の評価が2度のボーナス査定に適用されるのが原因。橋下徹市長は制度改革を指示しているが、人事室は「現行制度ではやむを得ない」としている。
この職員については昨年4月以降、腕の入れ墨を子供たちに見せたり、入所児童に暴言と恫喝(どうかつ)を繰り返したりしているとの告発が市側に複数寄せられた。
市が調査中の同年6月、同僚女性に交際を強要した事実が発覚し、9月に停職2カ月の懲戒処分となった。市側は入所児童への問題行動も認定したが、事実を公表しないまま「セクハラ案件と合わせて重い処分を行った」としていた。
ところが、市側は停職処分後、毎年11月に行う人事評価で、職員について「業務への取り組み自体は熱心」などとして高評価の点数を与え、職員は12月のボーナス査定でA評価を獲得。ただ直近に停職処分を受けていたため、手当基礎額から6割を減額された。
来月のボーナスでは、この半年間に他の処分案件などがない限り、A評価の額がそのまま満額支給されるという。職員は今年4月に他部署に異動している。
大阪市は、係長級以下はA〜Dの4段階、課長代理級以上は5段階に分けてボーナスの支給割合に差をつけているが、昨冬のボーナスで市長部局職員2万2751人のうち、下位2ランクに入ったのは計12人(0・05%)のみ。
現在、人事評価を相対評価にする職員基本条例案が市議会で審議中だが、成立しても今年度の評価は試行となる。
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最終更新:5月23日(水)16時0分