議案隠し:「原子力推進派意向で修正検討」事務局認める
毎日新聞 2012年05月09日 02時30分(最終更新 05月09日 03時17分)
長期的な原子力政策を論議する「新大綱策定会議」(議長・近藤駿介原子力委員長)の議案が原発再稼働の妨げになるとして隠蔽(いんぺい)された問題で、会議の事務局を務める内閣府幹部が毎日新聞の取材に「(内容を)相談するため事前に外部に提示した」と認めた。提示先は電力各社で作る電気事業連合会など推進派に限られ、一部だけの意見を反映させ議案の修正を図っている実態が明らかになった。策定会議の委員は反発しており、伴英幸・原子力資料情報室共同代表は9日の策定会議で事務局19人全員の解任を要求する方針だ。
内閣府原子力政策担当室の中村雅人参事官によると、議案書「原子力利用の取り組みと国民・地域社会との共生に向けて」を4月19日夕、電事連、経済産業省・資源エネルギー庁側に提示した。「見てもらってブラッシュアップする(磨き上げる)ためだった」と意向次第で書き直す方針だったことを認めた。慎重派には提示しておらず偏った議事運営が裏付けられた。