光母子殺害:元少年の実名本差し止め認めず 賠償は認定

毎日新聞 2012年05月23日 13時23分(最終更新 05月23日 13時30分)

 山口県光市で99年に起きた母子殺害事件で、死刑判決を受けた元少年(31)=当時18歳、今年3月に死刑確定=が自分の実名を載せた本の著者と出版元に、出版差し止めや1300万円の賠償を求めた訴訟の判決が23日、広島地裁であった。植屋伸一裁判長(森崎英二裁判長代読)は出版の差し止めは認めなかったが、66万円を支払うよう出版元側に命じた。

 最高裁が今年2月、元少年の上告を棄却して死刑が事実上決まった際、多くの報道機関が元少年の実名報道に踏み切っており、地裁は元少年の訴えを一部認める一方、実名掲載本の出版の差し止めは必要ないと判断したとみられる。

 訴状などによると、本の著者は一橋大学職員の増田美智子さん(31)。出版元は「インシデンツ」(東京都日野市、寺沢有代表)。本は事件を扱ったルポルタージュで、09年10月に出版された。タイトルや本文に元少年の実名が入り、中学校の卒業アルバムから顔写真も転載された。

 元少年は訴訟で、(1)出版前に内容を確認する約束があったが守られていない(2)実名や写真掲載の同意もしていない(3)出版物への少年の実名の掲載を禁じた少年法に違反する−−などと主張した。

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