親の金を盗んだ息子、被害額を水増し請求した親

 自宅にあった金を盗んだ息子と、金を盗んだ犯人が息子だと知らず、実際よりも多くの金を盗まれたように見せ掛け、保険会社に請求した親が、共に警察に逮捕された。

 仁川サムサン警察署は22日、上記の容疑で会社員の男(32)と両親を逮捕した、と発表した。

 男は今年3月14日午後8時ごろ、仁川市富平区三山洞の自宅で、引き出しの中の封筒に隠されていた父親(60)の金60万ウォン(現在のレートで約4万1000円、以下同じ)を盗んだ。警察によると、男は金に困ったため、父親が隠していた金を盗んだ後、引き出しやたんすを全部開け、中にあった物をぶちまけるなど、泥棒が入ったように見せ掛けたという。

 帰宅して金が盗まれたことに気付いた男の両親は、息子の犯行だとは知らず、この機会を利用し、以前引っ越しした際に紛失した金の指輪やブレスレットなどの貴金属の代金を請求しようと考えた。昨年9月に損害保険に加入した際、300万ウォン(約20万円)相当以上の貴金属を無くした場合には補償を受けられるという特約にも加入したためだ。男の両親は警察に「泥棒が入った」と通報する一方、保険会社には「335万ウォン(約23万円)相当の貴金属を無くした」として保険金を請求した。

 ところが、両親が保険金を受け取る前に、犯人が息子だったことが警察の調べで分かった。父親の金を盗んだ後、部屋の中に投げ捨てられていた封筒から、息子の指紋が見つかったのだ。貴金属が無くなったという両親の通報もうそだったことが分かった。

 結局、息子は窃盗容疑、両親は詐欺未遂容疑で逮捕されたが、息子が金を盗んだのは、家族間での事件で被害額も少ないことから、検察は不起訴とした。だが両親は、詐欺罪の適用を免れられない、と警察は説明した。

仁川= 崔在鎔(チェ・ジェヨン)記者
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