教え子にワイセツ、母親とは不倫で妊娠!中学教師あきれた三者面談

2012.05.20


松山市教委が入る施設。中学教諭の行動について「わいせつ行為はなかった」としている=松山市【拡大】

 「被害者の母親と『不適切な関係』を持っていたのは事実」。乗用車内で教え子の中学3年の女子生徒の下半身を触ったとして、松山市の市立中教諭が8日、強制わいせつ容疑で逮捕された。松山市教委は逮捕後の会見で謝罪したが、その場で耳を疑うような事実も飛び出した。教諭とこの生徒の母親が不倫関係となり、母親を妊娠させたというのだ。リーダーシップを期待された熱血教諭をめぐる不祥事の連鎖に市教委は「前代未聞の事態」と困惑を隠せない。大阪では盗撮しようとした行為をとがめられた中学教諭が、小型カメラのメモリーカードをかみ砕いて飲み込むという事件も。教諭による「不適切な行動」は後を絶たない。(細田裕也)

 ■きっかけは三者面談

 逮捕されたのは、同市立中教諭、岡本直樹容疑者(52)。勤務する中学校では野球部の監督も務め、「学年主任を任されるなど統率力にたけていた」(市教委)との評価の一方、「がんばれよ」と励ましの意味を込めて生徒の肩をたたくなど、後に問題となる“スキンシップ”を重視する一面も少なからずあったという。

 一連の問題は、被害者となった女子生徒が今年1月下旬、保健室で養護教諭に心に抱えた重大な疑念を打ち明けたことから始まった。

 「お母さんと先生の関係が怪しい」

 岡本容疑者にはよく相談を持ちかけるなど信頼を置いていたが、母親と不倫関係にあるのではと疑っているというのだ。

 妻帯者の岡本容疑者がなぜ、教え子の母親と「不適切な関係」を持つようになったのか。

 松山市教委によると、当時中学3年だった女子生徒の進路をめぐり、岡本容疑者と親子を交えた三者面談がたびたび行われていた。その流れで岡本容疑者と母親が2人だけで校外で会う機会が増え、不倫関係に陥ったという。

 市教委の聞き取りに対し、岡本容疑者と母親は不適切な関係について認めている。また、母親は岡本容疑者の子を妊娠し、その後、中絶したとも説明したという。

 ■車中で生徒に何を

 一方で、岡本容疑者は女子生徒とも“距離”を縮めていたようだ。家庭の事情で高校進学か就職か、進路に悩んだ生徒は、深夜に岡本容疑者の携帯電話を鳴らし悩みを打ち明けていた。そんな教え子のSOSに岡本容疑者は朝まで電話で相談に乗ることもあったという。

 そして、事件は起きた。冬休みを目前に控えた昨年12月下旬、岡本容疑者は校内で泣きじゃくる生徒の姿を見かけた。この日も進路をめぐる面談を行ったが結論が出ることはなかった。「生きている意味がない」と話す生徒を車で自宅まで送り届けることにし、後部座席に乗せた。

 ところが、しばらく走った所で車を止め、ハンドルを握っていた岡本容疑者が後部座席に移った。愛媛県警によると、その際に岡本容疑者は生徒の肩を抱きしめ、下半身を数十分間にわたり触ったという。密室となった車中での行為に生徒は恐怖を感じ、抵抗できなかったという。

 ■「わいせつな気持ちなかった」

 こうした行為は今年1月上旬にも起きた。車内で女子生徒の相談に乗っていた岡本容疑者は、後部座席で12月と同様、下半身を触るなどしたという。

 しかし、事態は急転。2月下旬、生徒が県警に「先生にわいせつ行為を受けた」と電話で相談。さらに、4月には家族が岡本容疑者を強制わいせつ容疑で告訴した。一連の行為について県警は今月8日、生徒に対する強制わいせつ容疑で岡本容疑者を逮捕。県警の調べに対し岡本容疑者は「(進路に)悩んでいる生徒をなぐさめるつもりだった。わいせつな気持ちはなかった」と犯意を否認し続けているという。

 ■校長を女子生徒に見立て再現

 逮捕前に女子生徒から申告を受けていた中学側も、岡本容疑者に聞き取り調査していたが、岡本容疑者は一貫して潔白を主張。校長を生徒に見立て「頑張れよ。死んだらあかんのじゃ」などと言いながら肩を揺らし、車内での様子を再現した。逮捕容疑となった12月のわいせつ行為の翌日に生徒からもらったという手紙も持参。そこには「昨日はありがとう。また甘えてもいいですか」などと、生徒が信頼を寄せているような内容が書かれていたという。

 市教委は関係者の証言などを総合し、生徒と車中で2人きりになったことは不適当だったとしながらも、最終的に「わいせつ行為はなかった」と認定した。

 ■「不適切な関係」は問題視

 逮捕後の会見で市教委の山内泰教育長は、改めて岡本容疑者がわいせつ行為を行ったとの認識はないことを強調する一方、母親との「不適切な関係」について厳しく批判。「(不倫は)当然問題視する。社会通念上ダメなことであり、私に処分権があれば処分していた」と切り捨てた。

 岡本容疑者は問題が表面化した2月から休職しており、その後退職願を提出。しかし、退職願を預かった愛媛県教委は、岡本容疑者と女子生徒の主張が食い違っていることなどから判断を保留している。

 また、母親との不倫に関しては、信用失墜行為にあたる可能性があるとみて、今後処分の可否を検討するとしている。

 

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