中国製の偽造電子部品、米軍の兵器に多く使用-米上院報告書
5月22日(ブルームバーグ):米防衛産業の供給網で見受けられる偽造品の大半は中国製の電子部品だが、中国政府はそうした偽造品の生産を抑制できていない-。米上院軍事委員会が調査報告書で指摘した。
21日公表されたこの報告書は、偽造の疑いがある約8万4000個の部品を販売した中国・深圳市の会社について、米空軍が複数の米企業への部品供給を1月に停止させた実例を掲載した。
1年2カ月に及ぶ調査の概要を示し、偽造が疑われる電子部品をめぐる多数の具体例を示した同報告書は、米国の企業と軍がこうした偽造品を取り締まっていないとした上で、防衛業界が「疑いのある部品の事例を定期的に報告しておらず、サプライチェーンの質をリスクにさらしている」と解説した。偽造品が原因で起きた死亡事件や飛行機墜落などの例は示していない。
軍事委は、中国国内で「公然と行われている」行為をやめさせる措置を同国当局が講じていないとの結論を「支持する圧倒的で否定できない証拠」が判明したと指摘。さらに「中国政府は問題を認識して偽造品を排除するよう積極的に動くどころか、調査の一環として中国本土を訪れようとしていた当委員会スタッフのビザ(査証)発給を拒否し、検証回避を図った」という。
ワシントンにある中国大使館の報道官にコメントを求める電子メールを21日送付したが、回答はない。
原題:China Counterfeit Electronics Found in Weapons, U.S. PanelSays(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Tony Capaccio acapaccio@bloomberg.net
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更新日時: 2012/05/22 13:41 JST