たばこの喫煙率を2022年に12%に削減する数値目標を盛り込んだ計画が近く閣議決定される見通しになった。23日、民主党の厚生労働部門会議が削減目標を盛り込んだ「がん対策推進基本計画」の改定案で認めた。喫煙率の数値目標をめぐっては、厚生労働省が掲げようとしてはたばこ業界や自民党農林族の反発を受けて取り下げてきた。10年越しで目標の数値化が実現する。
国内の喫煙率は10年の調査で19.5%(男性32.2%、女性8.4%)。計画はこれを22年までに12%に下げる。同じ調査で禁煙を希望する喫煙者が37.6%いた。この人たちにニコチンパッチによる治療などの禁煙支援をし、全員が禁煙する想定で削減目標を設定した。5年ぶりに見直すがん対策の計画案に盛り込んだ。
喫煙率の目標は1999年、旧厚生省が健康づくり運動の数値目標で半減を掲げようとしたものの、たばこ業界や自民党農林族の反発を受け頓挫。06年の見直しや07年のがん対策の計画策定時も見送られた。今回も日本たばこ産業(JT)などが「喫煙は個々人が判断すべきもの」「財政、販売店、葉タバコ農家に影響する」と反発していた。