国産ロケット「H2A」21号機が2012年5月18日に種子島宇宙センターから発射され、05年2月の7号機以降、15回連続で打ち上げに成功した。
実は、「H2A」には韓国の観測衛星「アリラン3号」も搭載していた。韓国のテレビ番組は大特集を組んだが、打ち上げた「H2A」の映像には日本の国旗「日の丸」と、「NIPPON」の文字が消され、しばらくするとなぜか「KOREA」の大きな文字が入った「H2A」と似たロケットも現れた。
今回の「H2A」21号機には日本の地球観測衛星「しずく」と、韓国の「アリラン3号」を搭載して打ち上げられた。「アリラン3号」は、ロケットを開発した三菱重工業が初めて受注した海外の人工衛星で、日本の宇宙ビジネスを拡大するきっかけとして期待されていた。
朝鮮日報の日本語電子版(12年5月19日付)によれば、日本の「H2A」ロケットを選択したのは、格安の打ち上げ費用を提示されたからで、ロシアよりも100億ウォン以上も安い193億ウォン(約13億円)だった、としている。
「H2A」21号機の打ち上げ成功は韓国でも大々的に報道され、その一つ、韓国国際放送交流財団「アリランTV」も「KOREA TODAY」で特集を組んだ。「アリランTV」は英語放送の海外向けテレビで、世界180カ国以上で視聴可能。番組では今回の衛星がいかに優れているかという説明と、開発までの道のり、そしてこの観測衛星を使った今後の展望などが紹介された。
番組では「H2A」21号機の説明もあり、その動画が「ユーチューブ」にアップされると、ネットが騒然となった。「H2A」のボディから「日の丸」と「NIPPON」の文字が消されているばかりか、「H2A」21に似たロケットが現れ、ボディには大きく「KOREA」の文字が描かれていた、というのだ。
JAXA(宇宙航空研究開発機構) が公開している資料では、「H2A」21号機のボディには、韓国の国旗が付いた「アリラン3号」を先頭に、「しずく」、三菱重工、日の丸、そして大きく「NIPPON」の順で絵と文字がペイントされている。
この「ユーチューブ」動画は現在まで9万回以上閲覧され、批判が殺到している。
「なんだあの捏造CG?何でNIPPONの文字と、日本国旗が消されてるんだ?」
「ロケットも衛星も『外国製なのに』さも自前の様に、しかも国旗まで」
といったものや、「このロケットは日本の技術で作られた国産ロケットで韓国製ではありません。日本のこれからの宇宙ビジネスに期待してください」などと英語で説明するコメントも相当数書き込まれている。
JAXA広報は、今回打ち上げた「H2A」21号機は公開資料にあるように日本の国旗と「NIPPON」の文字が描かれているが、韓国の放送では見当たらない、とした。また、「KOREA」の文字が描かれているロケットは「H2A」ではなく、おそらく韓国が開発中のロケットで、自力で人工衛星を宇宙に運びたいというアピールなのではないか、という。ただし、今回このような番組が制作されたことについては、
「コメントは特にありません」
ということだった。
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