財務省が23日に発表した4月の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は5203億円の赤字だった。月間の貿易赤字は2カ月連続。赤字額は、4月としては、第2次石油危機の影響があった1980年4月の5083億円を上回って過去最大となった。
2011年度の貿易収支は過去最大の4.4兆円の赤字を記録。東日本大震災から1年以上たった4月の動向が注目されたが、原油や液化天然ガス(LNG)などエネルギーの輸入額が高止まりし、赤字傾向に歯止めがかからなかった。
輸出額は5兆5665億円で、震災直後となる昨年4月と比べると7.9%増えた。一方、2年前の10年4月と比べると5.5%減で、過去の水準を取り戻すまでには至らなかった。地域別でみると、自動車を中心に米国向けの輸出が前年同月比42.9%増と好調だった。欧州連合(EU)諸国向けは1.9%減、中国向けは7.1%減った。
輸入額は前年同月比8%増の6兆868億円で、28カ月連続で前年同月を上回った。各地の原発停止にともない、火力発電に使うLNGの輸入量が増えたためだ。原油も、輸入額が19カ月連続で増えた。(牧内昇平)