JR西日本の西川直輝副社長は23日午前、今夏の節電について、電車の運行本数を減らす「間引き運転」はせずに、消費電力が少ない新車両への更新や省エネ運転などで対応する考えを示した。2010年夏と比べて8〜9%の節電になるという。節電要請のために同社を訪れた関西電力の香川次朗副社長との会談終了後、記者団に答えた。
JR西の電力使用量は関西電力の販売量の約2%に当たる35億キロワット時(10年度実績)。香川副社長は関電管内全体で10年夏比で15%以上の節電協力を求めていると説明した上で「鉄道は社会的に大きなインフラ機能。支障がない範囲で精いっぱいの協力をお願いしたい」と述べるにとどめ、節電の達成方法はJR西に委ねた。
JR西は昨夏以降、駅や列車内の照明の部分消灯や空調の温度調整など電車の運行に直接関わらない部分で節電に取り組んできた。今夏は新車両の導入を拡大するほか、加速や減速のタイミングを工夫して消費電力を減らす省エネ運転を全社的に普及させるという。
西川副社長は「電車の運転本数やダイヤには手を付けない形での取り組みを(関電側に)説明し、理解を得られた」と述べた。
今夏の節電をめぐっては、政府と関電側は大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働がないことを前提に、10年夏比15%以上の自主的な節電を企業や家庭に要請。原発への依存度が高い関電管内は全国で最も需給が厳しい状況となっている。
(井垣和子)
(2012/05/23 12:17)
Copyright© 2011 神戸新聞社 All Rights Reserved.