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2007-03-11 村上隆のフィギュア作品についての考察 このエントリーを含むブックマーク

ヒロポンちゃん

いきなり最初から直感的に正解を選んだと思う。これがもう正解です。


□KOKOちゃん

ヒロポンちゃんをオタキング(岡田斗司夫)に「バブル時代に勘違いした土建屋のオヤジが作ったアニメのキャラクターみたい。あまりにブサイク過ぎ」と散々に言われ、「じゃあ、次はオタク的にもド真ん中なキャラクターを作ってやるよ!」みたいな動機でたぶん作った作品。

個人的にはそんなにはおかしく無いと思う、ただアート作品としての「殺傷力」は幾分落ちたような気はする。


コレについても「全然ダメ」だと言うオタクの人がいるけど、村上の話を聞いてみるとそんなに外れてはいないです。最初は(当時)同人誌界のトップにいたCHOCO氏にキャラクターデザインを頼んだら、冷たく断られたと本人が言ってました。

すごくイヤな断られ方をされたみたいで「もう気にしてなんかいないよ、全然平気だよ」などと否定しつつも、おもむろにCHOCO氏の同人誌を取り出して、ネチネチと意地悪なツッコミを入れながら復讐とかしていました。(チクリ)


そこで仕方なく村上はボーメの工房に通い、オタク・トレンドのレクチャーを受けながら自分でKOKOちゃんのキャラクターデザインをします。

あのウエイトレス風なコスチュームは「ヴァリアブル・ジオ(木村貴宏)」をイメージしたそうです。テイスト等はメタルファイターMIKU(本田雄)です。当時のオタクトレンドをそれなりに理解していると思います。

でも、村上の描いたデザイン画が結構アレだから「村上のウンコデザインをボーメがなんとか見れるような形にリファインしただけ。手柄は全部ボーメ、ダメな所は全部村上」みたいな受け取られ方なのだと思います。(でもボーメのオリジナル・フィギュアだって結構微妙なケースが多いと思うのだけど、その辺とかはスルーなの?)


□KOKOちゃん(戦闘機変形タイプ)

前作で殺傷力が落ちたのは「コンセプトがブレたから」と反省し、かなり意識的にその部分を補強した作品。

「メカと美少女」というオタク永遠のテーマをかなり意地悪く、そして悪趣味に提示してます。瞳の表現方法などに「アート的文脈でオタクを外から眺める視線」を加えて、より客観性も増してます。

それと、この作品のコンセプトには、あさのまさひこ氏が結構関わっているみたいです。「オタク側からの現代アートに対する回答」みたいな事を確か言ってました。(でもまるで見当外れなので、いちオタクとしては少し恥ずかしいです)

この作品にあさの氏の意味は多分一ミリも入ってないです。みんなそのパセリをどけてからサンドイッチを食べると思います。


補足:「イルカクジラモデル」みたいなアイデアを出してきた時にも感じたけど、どうもあさの氏(オタク)は村上隆=秋元康と思っている節があります。特にあさの氏の場合、ファンロードで「鳥山明のデザインしたフィギュアを改造してセーラーズを着せた」という前科があるから尚更です。(しかも「ま〜君達アニメしか観ていないオタク共には、到底マネできないような芸当だろうけど〜(自分だってオタクなのに)」みたいな態度で!)