トップページ経済ニュース一覧フィッチ 日本国債1段階格下げ
ニュース詳細

フィッチ 日本国債1段階格下げ
5月22日 18時47分

フィッチ 日本国債1段階格下げ
K10052999011_1205221934_1205221941

欧米系の大手格付け会社「フィッチ・レーティングス」は、日本の債務残高が拡大し、財政再建に向けた取り組みが遅れているとして、日本国債の信用度を示す格付けを1段階引き下げ、上から5番目の「A+(シングルエープラス)」にしたと発表しました。

欧米系の大手格付け会社「フィッチ・レーティングス」は、22日、日本政府が発行する円建ての長期国債の格付けを、これまでの「AA-(ダブルエーマイナス)」から1段階引き下げて、上から5番目に当たる「A+」にしたと発表しました。
フィッチが日本国債を格下げしたのは、2002年11月以来、およそ9年半ぶりです。
この結果、チリ、中国、サウジアラビアと同じ格付けだった日本国債は、エストニア、イスラエル、スロバキアなどと並ぶことになります。
格下げの理由として、日本の債務残高がGDP=国内総生産に対して2倍を超え、世界で最も比率が高いこと、財政赤字削減に向けた取り組みが遅れており、しかも政治的なリスクに直面していること、政府が目指す消費税率の引き上げは、法案成立に向けた国会審議の見通しが不透明なことなどを挙げています。
日本国債の格付けは、去年1月にアメリカの大手格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ」が、去年8月には「ムーディーズ」が、いずれも1段階下げ、上から4番目の水準にしました。
また日本の格付け会社、「R&I・格付投資情報センター」も、去年12月に初めて、最上位の「AAA(トリプルエー)」から1段階格付けを引き下げていました。

フィッチの日本国債格付けの推移

日本国債の格付けについて、フィッチは2002年11月に、日本の財政が悪化を続けており、不良債権問題への対応が遅々として進まないことなどを理由に、上から3番目だった「AA(ダブルエー)」から1段階引き下げて「AAー」にしました。
また、東日本大震災が起きたあとの去年5月には、原子力発電所の事故や電力不足が経済に及ぼす悪影響を懸念して、格付けの見通しを「安定的」から、今後引き下げの可能性がある「ネガティブ」に改めています。

古川大臣“財政運営戦略の実行が重要”

古川経済財政担当大臣は記者会見で、「個別の格付け会社の行動についてコメントすることはないが、政府としては、2年前に閣議決定した財政運営戦略をしっかりと実行に移していくことが重要だ。今、国会で審議している社会保障と税の一体改革関連法案は、まさに財政運営戦略を実現する一つの取り組みなので、一日も早く国会で成立する状況を作る努力をしたい」と述べました。

[関連ニュース]
このページの先頭へ