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福島の18歳未満3万人が避難 流出抑制へ医療費無料化
福島第1原発事故などで、福島県の18歳未満者約3万人が避難していることが14日、県の集計で分かった。県外への避難者が6割を占めるなど子どもの流出が深刻となっているため、県は10月から18歳以下の県民の医療費を無料化する。県によると、18歳以下の一律無料化は全国の都道府県で初めて。 県によると、4月1日現在の18歳未満の避難者は表の通り。県内59市町村中、48市町村の計3万109人が避難している。このうち県外が1万7895人で59.4%を占める。市町村別で最多は南相馬市の5606人で、いわき市3641人、浪江町3298人と続いた。 18歳以上も含めた県民の総避難者数は現在、約16万人。その2割近くが18歳未満の子どもで、特に県外避難者は18歳未満者が3割近くを占めた。子を被ばくさせたくない親が避難させているのが主因とみられ、県子育て支援課は「かなり大きな比率で、危機的状況にある」と話す。 県外流出を食い止める施策の一環として県は14日、10月から18歳以下の医療費無料化を実施する方針を正式に発表した。 県議会6月定例会に本年度分の事業費10数億円の補正予算案を提出する。 対象は、県内に住所がある小学4年生から18歳以下の人で県外避難者も含む。実施主体は市町村で、県が東京電力の賠償金などを基に創設した県民健康管理基金から全額補助する。小学3年生までは県内の全59市町村で既に無料化が図られており、県の事業との組み合わせで18歳までが一律無料化となる。 佐藤雄平知事は「日本一、子どもを生み育てやすい県づくりの象徴となる事業。県を挙げて取り組む」と話している。
2012年05月15日火曜日
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