「米国で、第2次世界大戦でユダヤ人を弾圧したナチス・ドイツの蛮行を知らない人はいないが、日本軍慰安婦の存在を知る人は多くない。慰安婦被害者は、ホロコーストの犠牲者のように同じ歴史の被害者だ。これをホロコーストのように広く知らしめることに力になりたい」
18日、米ニューヨーク市クイーンズのフラッシング地区のオフィスで、東亜(トンア)日報のインタビューに答えたピーター・クー市会議員は、フラッシング地区に「第2の記念碑」の建立と「慰安婦『追慕』通り」の指定を推進している。海外で初めて米ニュージャージー州パリセイズ・パーク市に建立された慰安婦記念碑に続き、ニューヨーク市でも慰安婦問題を知らしめることを推進しているクー議員の行動に、日本人が連日抗議の書簡を送っており、米メディアも注目している。
クー議員は、「私たちが推進する事業は反日本的な事業ではなく、人類の長年の価値である人権の問題だ。日米関係の悪化を指摘する日本人の主張を受け入れることはできない」とし、「日本はホロコーストの被害者に謝罪したドイツのように、まず謝罪する姿勢を示さなければならない」と強調した。
クー議員は記者に、最近日本人から送られた20通の書簡を見せた。少ないものでA4用紙1枚、多い場合、添付物を入れて8枚の手紙は、単語だけ変えた同様の内容を別の日本人の名前で東京などからで送られてきた。彼らは一様に、「慰安婦は戦争中の売春婦(prostitute in a war time)だった。金を得るために働いた」とし、韓国政府と団体の主張は誤っていると主張した。
クー議員は、「ある日本人は、『もし慰安婦記念碑を建立する場合、日本国民はもとよりニューヨーク市を訪れる日本人観光客が大いに失望するだろう』という言葉で脅迫までした」と伝えた。そして、日本人が別のニューヨーク市議員にも、「ピーター・クー議員の記念碑建立を阻止してほしい」という内容の書簡を送ったことについて、「フラッシング地区で独自に推進できることであり、ニューヨーク市議会まで上る事案ではない。彼らは勘違いしているようだ」と話した。クー議員は、「数ヵ月前に、ブルームバーグ市長室からも内容を詳しく尋ねてきた」と述べ、様々な経路から圧力が表面化していることをほのめかした。しかし、「(日本のこのような動きが)記念碑の建立と慰安婦通りの推進に影響を及ぼすことはない」と明らかにした。
クー議員は、「すでにニューヨーク市に、フラッシング地区の慰安婦追慕通りを含め、25のニューヨーク市の通りの名称変更計画が上がっている。ブルームバーグ市長がこれを拒否することは難しい状況だ」とし、「ただ、記念碑建立の問題は、市の所有地を使う場合、多少複雑な事案だ」と付け加えた。しかし、「ニューヨーク市が許可しない場合、民間の用地や建物に建立する方法で必ず推進する」と強調した。
クー議員が韓国の慰安婦問題に関心を持つようになった直接的な契機は、フラッシング地区に多く居住する韓国人有権者や韓国人市民団体が2010年頃、訪ねてきて慰安婦の存在を伝えたことだった。クー議員は、「実はそれ以前は、慰安婦の存在を私も知らなかった。その後、関連セミナーやシンポジウムに参加し、この問題を米国内に知らせるべきだと決心した」と伝えた。そして、「このような悲しいことが再び起こってはいけない。米国の成長する世代に、人権を蹂躙した歴史の痛みを教え、再び起きないようにすることが私の使命だ」とも述べた。クー議員は、香港から1971年に移住した中国系米国人で、2010年1月1日にニューヨーク市議員に選出された。
一方、ニューヨークタイムズは19日付で、「ニュージャージーの慰安婦記念碑が長年の不和を深める」というタイトルの記事で、日本が最近、パリセイズ・パークにある慰安婦記念碑の撤去を要求して拒否された理由を詳細に紹介した。この記事には、世界中から200件近いコメントが寄せられたが、大半が日本の行為を批判する内容だった。あるネットユーザーは、「日本は米国に真珠湾記念碑の撤去を要求できるのか」と批判し、欧州に住むあるユーザーも、「記念碑の建立のために寄付する」と書き込んだ
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