地上波テレビ局のドラマで間接広告用に使用されていた高級輸入車21台が突然消えてなくなるという事件が起きた。消えた高級車は総額23億6000万ウォン(約1億6100万円)に達する。
ドラマ制作会社との間で間接広告の仲介を行った広告代理店T社の代表が借金返済に行き詰まり、高級車21台を貸金業者に引き渡し、姿を消したとみられる。
T社の代表は知人に宛て、貸金業者の社名、連絡先、高級車のリストを含む電子メールを送っていた。メールには「会社のアルバイトに月給を支払うため、3000万ウォン(約205万円)を借りたが、利子が膨らんだ。大変なことになると思うが、申し訳ない」などと書かれていた。
アウディコリア、BMWコリア、ジャガー・ランドローバー・コリアなどによると、紛失した高級車は、現在KBSで放送中のドラマ『愛の雨』『赤道の男』、SBSで放送中の『ばかな母さん』などのロケで使用されていた。アウディは3作品の全てに計12台の車両を提供しており、被害が最も大きかった。このほか、BMWが5台、ジャガー・ランドローバーが4台を提供していた。
輸入車業者は「車を返却してもらうため、広告代理店代表に連絡したが、電話の電源が切れている状態で、連絡が付かなかった。話を聞くと、他社も同じような被害に遭っていることを知った」と語った。
行方が分からない高級車の中には、「アウディR8」「ジャガーXJ」「BMW7シリーズ」「ランドローバー・レンジローバー」など、2億ウォン(約1360万円)を超える車両も多い。代表は電子メールの中で、「利子が膨らみ、車を1台ずつ担保に入れ、撮影時に1日30万ウォン(約2万円)ずつ貸金業者に支払い、車を使う状況に陥った。13日までに完済しなければ、車の使用を認めないと言われ、結局こういう状況になった」と説明した。
警察は17日、京畿道富川市でアウディの高級車3台を発見し、アウディ側に引き渡した。しかし、代表は貸金業者4?5カ所から借金をしており、複数の貸金業者が問題の高級車を保有している状態のため、全ての車両を発見するには時間がかかる見通しだ。