2012年5月18日(金)
子供も大人も急増!見逃すな“発達障害”
ゲスト:富司純子さん、富澤たけしさん(サンドウィッチマン)
Team未来の頭脳(コメンテーター): 水無田気流さん(東京工業大学フェロー)
特集パートの専門家:杉山登志郎さん(日本小児精神神経学会 常務理事)
空中タイムキーパー:仲間リサさん
冒頭コーナーリポーター:黒田信哉アナウンサー
特集リポーター:小林孝司アナウンサー
「友達の輪に入ろうとせず、一人で遊ぶ」「まわりの空気が読めず、突拍子もない発言をしてしまう」などという言動が特徴の一つである“ASD(自閉症スペクトラム障害)”。アスペルガー症候群や自閉症などの総称で、生まれつき脳の一部の働きにアンバランスがある発達障害です。「性格の問題」や「親のしつけの問題」として、見過ごされるケースが多く、早期発見が課題となっています。ところが、この課題が大きく改善されるかもしれません。浜松医科大学の研究チームが、これまではっきりと分からなかったASDの脳のメカニズムの一部を解明。さらに子供時代にASDかどうか、血液検査で分かる方法を研究しているのです。ASDの科学的な分析が可能になる上、早期発見の有力な診断方法になると、世界的な注目を集めているのです。
番組では、大人になってASDと分かった方を取材。なぜこれまで見過ごされてきたのか、どう対応していけばいいのか、考えました。
「ASD(自閉症スペクトラム障害)」とは?
生まれつき脳の一部の働きにアンバランスがあるため、以下の特徴があるといいます。
(1)人の気持ちが分からない(社会性の障害)
・自分の興味があることを(相手の反応に関係なく)話し続ける
・話の文脈と違う発言をする など
(2)こだわりが強い
・特定のことに深い知識を持つがそれ以外を知ろうとしない
・自分のスケジュールを崩されるのが嫌い など
各自治体の健診などで子供の頃に発見され、「療育」という専門プログラムを受けることで、アンバランスな部分を補うことが行なわれています。
「社会性の障害」を測るテスト
人の気持ちが分からない、というのを測るテストがイギリスで開発されています。子供用のテストで「サリーとアンの課題」と呼ばれるものです。相手の気持ちの立場にたって考えられるかどうかを測ります。
子供用のテスト
これはサリーです。サリーは、カゴを持っています。
これはアンです。アンは、箱を持っています。
サリーは、ビー玉を持っています。
サリーは、ビー玉を自分のカゴに入れました。
サリーは、外に散歩に出かけました。
アンは、サリーのビー玉をカゴから取り出すと、自分の箱に入れました。
さて、サリーが帰って来ました。
サリーは、自分のビー玉で遊びたいと思いました。
サリーがビー玉を探すのは、どこでしょう?
正解は「かご」です。ASDの子供は、「アンがビー玉を移したことをサリーは知らない」というサリーの立場を推し量れず、「箱」と答えます。
また、大人の場合は事象が少し複雑にしたテストが文章形式で行なわれます。
大人用のテスト
恵さんの家におじさんが遊びに来ました。
恵さんはお母さんに手伝ってもらって、チーズケーキを作りました。
恵さんは食卓で待つおじさんに言いました。「おじさんのためにケーキを作っているの」。
おじさんは「ケーキは大好きだよ。チーズが入っているのはダメだけどね」と言いました。
ここで質問です。気まずいことを言ったのは誰ですか?
また、なぜ気まずいのでしょうか?
気まずいことを言ったのは「おじさん」です。その理由は「恵さんやお母さんの気持ちを傷つけてしまうから」です。
ASDの人は、最初の質問で「おじさん」と答えられない。誰も気まずいことを言っていないと答える。つまり、「チーズは苦手」と恵さんに告げることが気まずいとは感じないのです。恵さんの気持ちに立つことができないからです。
「大人のASD」とは?
子供の頃にASDが発見されず、そのまま成長して、成人になってから見つかった人たちが、最近、増えていると言われています。ASDのために人間関係につまづき、大きな生きづらさを抱え、中には、うつ病などの2次症状に悩む人もいます。 番組で紹介した、昭和大学付属烏山病院(東京都世田谷区)では、「大人の発達障害」専門外来を開き、診断を受けた方々のためにコミュニケーションスキルを学ぶデイケアが行なわれています。
昭和大学付属烏山病院のホームページ
http://www.showa-u.ac.jp/SUHK/
初診はすべて予約受付となっています。毎月1日に翌月の予約を受け付けます。
予約受付時は大変電話が混み合い、つながりにくい場合があります。
受付先:メディカルサポートセンター 03-3300-5329
デイケアは、烏山病院で診察を受けた方のみが申し込むことができます。
詳しくは、診察時にお問い合わせ下さい。
浜松医科大学のASD研究
(1)ASDの脳の神経活動を調べる
頭部専用PET(陽電子断層撮影法)により、脳の一部にアンバランスがあることが分かってきました。
・帯状回でのセロトニン神経の働きの低下=「人の気持ちが分からない」
・紡錘状回でのアセチルコリン神経の働きの低下=「相手の表情を認識できない」
(2)早期発見のための研究
・「視点追跡装置」=ASDの人は“目を見ない”という特徴があり、その特徴を抽出するシステムです。
・「血清バイオマーカー」=8歳以下のASDの子供は、血中の中性脂肪が低いことが分かりました。それを血液検査によって抽出するものです。
※両方とも、研究段階のもので、まだ実用化されておりません。
診断の際は「問診」が一番重要であることは変わりありません。
浜松医科大学のホームページ
http://www.hama-med.ac.jp/
結局どうなるの?電気料金の値上げ
先日、東京電力が家庭向けの電気代の値上げを申請しました。
東電によると、“一般のご家庭”でひと月あたり480円の負担増になります。
しかし、番組で独自調査をしてみると、月に1000円以上値上がりするご家庭が次々と見つかりました。
一体、電気代はどのぐらい上がる予定なのか?値上げを押さえる方法はあるのか?
独自取材と専門家の分析で、わかりにくい値上げプランの真相に迫ります。
問い合わせ先
■東京電力の電気料金値上げについて
東京電力のホームページや各地域の東京電力カスタマーセンターでご確認ください。
ホームページ:http://www.tepco.co.jp/index-j.html
モテ声
近頃ネットで見つけた気になるワードを、スタッフ自ら現場に急行、詳しくリサーチ!
今回のターゲットは「モテ声」。最近、ネットを中心に新たなワードとして登場した「モテ声」。
一体どんなブームなのか、番組で調査しました。
●インターネット上でモテ声度を測定できるサイト
声総研VQチェッカー
ホームページ:http://www.koesouken.com/vqchecker/
●取材先(モテ声レッスン)
ビジネスボイススクール ビジヴォ
ホームページ:http://www.businessvoice.jp/
●講師
ボイス(モテ声)トレーナー 秋竹朋子 さん
杉山登志郎さん(日本小児精神神経学会 常務理事)
著書
「発達障害のいま」 講談社現代新書 798円(税込) 2011年7月15日 発刊
「発達障害の子どもたち」 講談社現代新書 756円(税込) 2007年12月20日 発刊
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