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口演

論文

  H21.12月 H22.3月 H22.12月 H23.7月
  3ヵ月 6ヵ月 1歳3ヵ月 1歳10ヵ月 
 ヒトTARC定量(pg/ml) 7920 2387 1214 2928 
 好酸球数( /μl) 456 459 185 576
  3ヵ月時にはアレルギーはなく、6ヵ月時にはほんの僅かであったが卵白のみ陽性で、10倍希釈エキスによるプリックテストでは卵黄、卵白ともに陽性で、生卵と現物卵の制限はしましたが、卵豆腐や茶碗蒸し、卵ボーロ等は食べられるようになっています。 
  初診: 3ヵ月 女児

生後2ヵ月時より湿疹が出はじめて近医を受診していた。
一時治まるが再発したので紹介され来院。
父親に乳児期〜少年期アトピー性皮膚炎既往あり。
「しるが出てきて臭い気がする」と訴える。
  まとめ

この赤ちゃんは蒸れ部(間擦部)にもっとも強い赤みがあり、体幹、手足にも乾燥と赤みがあった。共通していることは乾燥肌があり、汗や尿の影響で蒸れ部に皮疹が出て、また顔や体幹等の乾燥部には赤みがでるという症状でした。アトピー性皮膚炎の活動性をよく表すといわれているヒトTARCと好酸球数は順次下がっていきました。


 乳児アトピー性皮膚炎には、かゆみの非常に強い人とそうでない人がいます。かゆみが少ない人ではステロイドなしもしくはほとんど使わなくても良くなってくるということがわかる症例です。この赤ちゃんはTARC(正常6〜12ヵ月 1367以下)も好酸球数(正常400以下)も僅かに高いだけで、これとかゆみが少ないことと関連があるように思われます。
 
 
生後3ヵ月:平成21年12月 初診時
   首、足の付け根、膝の裏など蒸れ部(いわゆる間擦部)の皮膚が赤くなり湿っぽい。顔、体幹、手足に広く赤みと乾燥がある。
引っ掻きはあまり強くない。ただれもなく夜もよく眠る。

ご家族の希望はステロイドなしの治療。引っ掻きによる皮膚の破壊は少ないので希望に沿う治療は可能と考え始める。その内容は、
ポピドンヨード100倍希釈による消毒療法と、亜鉛華軟膏:白色ワセリン(1:3)混合による皮膚の保護である。


13週間は症状が悪化したが、その後少しずつ赤みは治まってきた。しかし乾燥は続く。

  生後5〜6ヵ月:平成22年2月(初期治療から2ヵ月経過)   正常肌が戻る

経過:
同治療を続けて2ヵ月後より腹部からツルツルの肌がでてきました。滑らかな皮膚はその後体幹から足へと増えていった。

  生後7ヵ月:平成22年4月(初期治療から4ヵ月経過)   おむつ部悪化

経過:
6ヵ月頃からおむつ部の赤みとかゆみが強くなった。
7ヵ月時に部分的に最弱のステロイド軟膏による局所治療をおこない、3ヵ月後には落ち着いた。
症例4
症例1
症例3

2. ステロイド外用なしで経過をみた乳児アトピー性皮膚炎の例