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'12/5/22

津波に備え表示板増えるが…




 津波に備え、現在地の高さを知らせる表示板を電柱や公共施設に新設する動きが中国地方で広がっている。住民の避難の目安になるほか、防災意識を高める狙いもあり、4市1町が設置した。ただ、「海抜」と「標高」の表記が混在するなど表示方法はばらばら。統一の基準を求める声も出ている。

 玉野市は昨年9〜12月、小中学校や公園など116カ所に掲げた。市危機管理課は「東日本大震災以降、住む地域の標高を知りたいとの要望が相次いだ」ときっかけを話す。

 鳥取県琴浦町も昨年10月以降、45カ所に掲示。ことし2月からは浜田市が電柱など415カ所に、備前市が94カ所に付けた。

 東海沖から四国沖の海底に横たわる溝「南海トラフ」の最大級地震を警戒するのは江田島市。3月に想定津波高が広島県内で最高の3・6メートルと示されたのを受け、今月から100枚を目標に取り付けを進める。「住民の問い合わせが増えている。避難の際の参考になれば」と説明する。

 一方で、表記は「海抜」と「標高」に分かれる。いずれも東京湾の平均水面を基準にした高さを示すが、江田島、浜田、備前の3市は海抜、玉野市と琴浦町は標高を採用する。

 どの位置の高さを示すのかも一様でない。琴浦町は、表示板に引いた赤い横線の高さを知らせるが、ほかの4市は表示板付近の地盤高を記す。鳥取県議会の福祉生活病院委員会は11日、デザインを統一するよう提案。県は県内の市町村と基準を検討する方針でいる。

 松江市、岡山市も本年度中の表示板設置を検討する。関西学院大の室崎益輝教授(防災計画学)は「場所によって形式が異なると移動先などで混乱する恐れがある。全国でシンプルなデザインにそろえるべきだ」と話す。

【写真説明】文字と数字の簡素な様式で標高を伝える玉野市

【写真説明】波のイメージ図をあしらい海抜を記す江田島市




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