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がれき焼却を心配する震災避難者も 

2012年05月21日

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放射能汚染を心配する市民や震災の避難者が意見を交わした集会=北九州市小倉北区大手町の市立男女共同参画センター・ムーブ

 北九州市民や東日本大震災の被災者らでつくる「震災避難者お話の会 北九州」(約140人)は20日、同市小倉北区で「私たちが九州へ避難してきた理由」と題して集会を開いた。大分、山口も含め県内外から百数十人が参加。23日から市内で始まる震災がれきの試験焼却への懸念の声が上がった。

 冒頭、福島県いわき市から1月に子ども2人と避難してきた主婦(47)が原発事故の影響評価を巡り、住民間だけでなく家族までバラバラになった、と時折声を詰まらせて語った。

 「夫とは何カ月も話し合いましたが、『何かあったら、運命として受け入れよう』と言うので離婚を決意し、3人で(地縁も血縁もなかった北九州に)避難して来ました。子どもを守るには避難しかなかった」

 同市が受け入れの準備を進めているがれきの焼却処理については「『絆』の名の下に放射性物質が拡散してしまう。福島で被曝(ひ・ばく)したとしても、子どもが(甲状腺がんなどを)発症しないようにと避難して来たんです」と不安を吐露した。

 その後、がれきの処理に反対して全国的に活動する、市民団体「放射能防御プロジェクト」の発起人木下黄太さんが講演。「(北九州が当面受け入れる)80トンなんて量は試験焼却どころか本焼却のレベルだ」と主張した。

 参加者は「茨城県から避難して来たが、子どもが気管支炎にかかった。小児科医は『きれいじゃない北九州の空気が原因だろう』と言うが、信じて大丈夫だろうか」と不安を口にしたり、報道で得た情報を交換したりした。(原口晋也)

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