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米原子力規制委員長が辞任へ5月22日 6時55分
全米の原子力発電所を規制・監督するアメリカ原子力規制委員会のトップを務め、東京電力福島第一原子力発電所の事故後、日本にも2度にわたって訪れたヤツコ委員長が、来年6月の任期満了を待たずに辞任する意向を発表しました。
これはヤツコ委員長が、21日、みずから声明を出して明らかにしたもので、後任が確定するのを待って職を退くということです。
ヤツコ氏は、2009年にアメリカ原子力規制委員会の委員長に就任し、東日本大震災をきっかけとした東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、2度にわたって日本を訪れ、事故後の対応などを巡る日米両国間の協力やアメリカの原発の安全対策の見直しなどを進めてきました。
ヤツコ委員長は、声明の中では、このタイミングで辞任を表明した明確な理由について明らかにしていませんが、去年末には、原子力規制委員会のほかの委員たちが、ヤツコ委員長の委員会の運営手法や、職員に対する言動について非難する異例の書簡をホワイトハウスに送っており、こうした委員会内部の中での対立が背景にあるという見方も出ています。
これについてホワイトハウスはNHKの取材に対し、「ヤツコ委員長が原発の安全を積極的に追求したことを評価している」と話しています。
また原子力業界を代表する団体「アメリカ原子力エネルギー協会」は原発に対する規制を強化しようとしたヤツコ委員長との間に大きな意見の隔たりがあったとしながらも、「特に福島第一原発の事故以降率直な意見交換が頻繁に行われたことは評価したい」としています。
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