関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の再稼働了承に向けた準備を進めてきた福井県内で、「了承」判断をいったん見合わせる動きが出てきた。関西の首長が依然難色を示しているためで、福井県原子力安全専門委員会(委員長・中川英之福井大名誉教授)は21日、県庁で会合を開いたが、再稼働了承に関する議論はなく次回以降に結論を持ち越した。
県原子力安全専門委は21日、8日以来の会合を開いた。前回会合で中川委員長は次の会合で再稼働を了承する可能性を示唆していた。
しかし、21日の会合では出席した関電の原子力事業本部の技術担当に対し、委員から巨大地震が大飯原発周辺の斜面に与える影響や、地震の揺れが制御棒の挿入時間をどの程度長引かせるかといった質問が次々と飛び、結論は次回以降の会合に先送りされた。今回の会合は予定された1時間半を30分超えても収拾がつかない状況だった。
福井県の西川一誠知事に提出する報告書のたたき台となるこれまでの審議内容の整理・確認については、事務局である県の担当者が内容を簡単に紹介するだけで終了。正式な報告書のとりまとめ作業も次回以降に持ち越された。
終了間際の中川委員長の総括では、会合の中身を要約することに終始。関電は次回の会合で再び委員の疑問点に答えることになった。中川委員長は報告書をとりまとめる時期は示さず、「今後はこれまでの審議内容について順次取りまとめに移りたい」と述べ、さらに時間をかけて報告書の取りまとめ作業を進める考えを示した。
こうした原子力安全専門委の動きに呼応するように、おおい町の時岡忍町長も21日、町役場で記者団の取材に応じ、自身が5月中に再稼働を判断するのは難しいと答えた。これまで「月内には判断しなければいけない」と話していた。
大飯原発再稼働を巡っては消費地である京都府や滋賀県、大阪市など関西の自治体が慎重姿勢を崩していない。西川知事は再稼働を了承する条件として、国による消費地への説明と理解の取り付け、野田佳彦首相が先頭に立った国の姿勢の明確化などを求めている。
野田首相が先週17日のテレビ番組で「最後は私のリーダーシップでしっかり意思決定したい」と強調したこともあり、21日の専門委では再稼働了承に向けた動きが大きく前進すると思われた。
ただ、19日に大阪市で開かれた関西広域連合の首長会合では再稼働に否定的な意見が相次ぎ、福井県が求める理解がほとんど進んでいないことが明らかになったことが福井県の姿勢変化につながったとみられる。
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