学校の風景140年:修学旅行/上 普段と違う体験、重視へ
毎日新聞 2012年05月21日 東京朝刊
5人とも「楽しいです」。大阪ではマンション住まい。平日は塾に通い、家族と一緒に食事する機会はあまりない。塾から帰れば深夜までテレビ。何もかもが初体験だった。「夜が真っ暗でびっくりした」「カエルの鳴き声を初めて聞いた」
同校は4年前から2泊3日の修学旅行のうち1泊はこうした「民泊」に充てている。桐山茂校長は「普段と違う体験は必ず生徒に役立つし、記憶にも残ると思う」と話す。民泊の受け入れ窓口の公益財団法人「阿蘇グリーンストック」の園山寛・事業部長によると、旅行後も農家と手紙や年賀状のやりとりを続けたり、何年後かに家族連れで遊びに来る生徒もいるという。
全国修学旅行研究協会(全修協、東京都)によると、修学旅行は今、「民泊型」が増えており、現在受け入れ先は全国で約70カ所。鹿児島県農村振興課の調べでは、同県全体で、10年の受け入れ生徒数は5900人だったが昨年は1万1300人と倍増した。
背景には農村で余暇を過ごす「グリーンツーリズム」人気の高まりに加え、新学習指導要領(小学校で昨年度、中学校で今年度から実施)が「『生きる力』の育成」を掲げたことがある。文部科学省によると「生きる力」とは知・徳・体のバランスの取れた力。そのために体験活動の充実や、多くの大人と触れ合う機会を作ることが大切と説く。