大阪市の全庁調査で職員110人が入れ墨があると回答した問題に絡み、橋下徹市長は17日の定例記者会見で、米人気歌手のレディー・ガガや俳優のジョニー・デップがファッションとしてタトゥーを入れていることを引き合いに「有名人もタトゥーを入れているが、好ましくないのか」と問われたのに対し、「もしガガさんやデップさんが市職員になるといったら、断りますよ。俳優や歌手だからみんなに支持される。市職員(の試験)を受けるわけないとは思うが」と述べた。
橋下市長は「僕だって(大阪府)知事になる前までは髪の毛も茶色で、偉そうなことは言えないが、市長や知事になるとなったら黒く染めるわけですよ。公務員だし、税金で飯食うわけだし、人に命令だすわけだから。それは違うだろうということですよ」と指摘。「入れ墨(の是非)は個々人が判断すればいいが、公務員は違う。そこは許されない」と結論付けた。
一方、全庁調査で入れ墨をしていると回答した職員が部局別で最多の73人にのぼった環境局で、約半数は別の調査で採用後に入れ墨をしたと答えていたことも分かった。会見で橋下市長は「何でそういうことを平気でできるのか。職場の風紀は(相次ぐ)不祥事の問題に影響している」と憤った。
環境局によると、全庁調査に先立つ今年2〜3月、市民からの投書などを受けて、局職員約3200人を対象に独自に任意調査を実施。この結果、69人が入れ墨をしていると回答し、うち半数が採用後に入れたと答えたという。
ワンポイントのタトゥーが大半で、花や骸骨(がいこつ)、羽根、稲妻などの絵柄を数センチ四方の大きさで上腕部に入れているケースが多かった。一方で、約30センチ四方の唐獅子模様を背中に入れている事例もあったという。
入れ墨をした理由については「若気の至りだった」「友達がやっていた」など、深く考えないままファッション感覚で入れたとの回答が多く、後悔や反省の気持ちを示す人も。環境局では入れ墨を消すよう指導しており、これまで数人が医師に相談したという。