21日の金環日食当日は、各地で観察会が開かれるほか神話にちなんだ神楽奉納もある。平日の早朝にもかかわらず、にぎわいそうだ。
神楽の盛んな大分県豊後大野市では20日、地元の保存会のメンバーが「日食」にちなんだ神楽を舞った。
太陽神の天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)に隠れる原因となった須佐之男命(すさのおのみこと)を神々が協力して追放しようとする場面だ。
21日の金環日食を前に企画。剣と弓を手に舞台で大暴れする須佐之男命を、神々が協力して客席に引きずり下ろしたり、須佐之男命が神々の刀をこっそり隠して神楽を舞えなくしたり……。神々のユーモラスな動きに客席からは大きな笑い声が上がっていた。
日食帯の中心に近い宮崎県串間市の都井岬。「岬の駅都井岬」に設けられたステージ周辺では、20日夜から前夜祭がある。テントやキャンピングカーで朝を待つ天文ファンらのための敷地も確保した。
神話の里、宮崎県高千穂町では、太陽神・天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)に隠れて世界が暗闇に包まれてしまったという神話にちなみ、日食の時間帯に神楽が奉納される。神話が記された古事記の編纂(へんさん)1300周年もアピールする。
専門家の説明を受けながら安全に楽しめる観察会も企画され、人気を集めている。
福岡県八女市の「星の文化館」(0943・52・3000)では午前6時から観測開始。グラスつきで大人500円。宿泊施設はいっぱいだが、観察だけなら受け付ける。同県大牟田市の大牟田文化会館(0944・55・3131)も午前6時半から近くの公園で無料観察会を開く。
天体観測ドームがある佐賀市西与賀町の西与賀コミュニティセンター(0952・25・6320)の観察会は午前6時から。事前申し込みは締め切った。
熊本県八代市坂本町の「森林体験交流センターさかもと八竜天文台」(0965・45・3453)は午前6時から観測会を予定。入館料は大人300円。口径30センチの屈折望遠鏡などに太陽観測用のフィルターをつけて直接観測し、テレビモニターにも映し出す。