地方書類が語る「タマちゃん」騒動 神奈川県立公文書館で収蔵資料展2012.5.18 22:31

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書類が語る「タマちゃん」騒動 神奈川県立公文書館で収蔵資料展

2012.5.18 22:31
鶴見川に現れたタマちゃんを一目見ようと多くの人が集まった=平成14年8月27日

鶴見川に現れたタマちゃんを一目見ようと多くの人が集まった=平成14年8月27日

 公文書が浮き彫りにする「タマちゃん」騒動-。県立公文書館(横浜市旭区)の収蔵資料展示「公文書館資料の世界~書庫の記録のものがたり」が同館で開催されている。平成14年8月から翌年3月にかけ、JR横浜駅近くを流れる帷子(かたびら)川などに出没したアゴヒゲアザラシ「タマちゃん」の克明な動向や、対応に追われた県職員のドタバタぶりを公文書から紹介。幕末から戦時中の文書も展示している。

 タマちゃんの突然の出現は見物人が詰めかけたり、「健康危機説」が流れ助けてやれないかとの要望が相次いだり、市民団体が捕獲しようとしたりの騒動に発展。タマちゃんの餌として生きたホタテを川に投げ込んだ団体と、河川法に基づき「ゴミを川に捨てるんじゃない」と制止した県職員がもみ合いになる場面もあった。

 タマちゃんは横浜市の鶴見川や帷子川に出没した。2級河川の帷子川は県が管理しており、職員にとって野生動物への対応は初めての体験。タマちゃんが護岸に上陸するたびに位置や滞在時間を細かく記録し写真に収めるなど、対応に苦労した様子が公文書からうかがえる。ただ、トラブルのあった団体が分かるような公文書については、閲覧できるが展示を控えた。

 同館の担当者は「ニュースになるのは氷山の一角。公務員には細かく記録する“DNA”が受け継がれている。公文書は細かく時系列に、だれでも分かるように書かれており、天気や人出、出席者など後で読んだときに光景が目に浮かぶように分かる」と話す。

 同館の展示は年1回行われており、約68万点の収蔵資料の中から、今回はタマちゃんなど4テーマに分けて計66点を紹介。幕末に起きた荻野山中藩陣屋(厚木市)の焼き打ち事件や、戦時中に軍事施設周辺の建物を壊した「建物疎開」の歴史的公文書も展示されている。入館無料で8月31日まで。毎週月曜と7月17日は休館。

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