「ドラえもん」の大根シチュー、「ブラック・ジャック」の巨大卵焼き−−。漫画に登場した食事やおやつ４９品を再現し、レシピなどをつづった「マンガ食堂」（リトルモア）が出版された。著者は東京都の会社員、梅本ゆうこさん（３３）＝ペンネーム。梅本さんは「料理の幅も広がり、読む漫画も多様になった。両方の世界が広がった」と話す。【榊真理子】

　大阪府出身。就職で親元を離れ上京した当初は必死に自炊したが、仕事が忙しくなるにつれ、手軽な料理の繰り返しに。マンネリを脱しようと思っていた０８年秋にふと思い出したのが、漫画「深夜食堂」（安倍夜郎）。深夜０時から朝７時まで営業する食堂のマスターと、そこに集う人々を描く短編集だ。

　漫画に登場した、牛すじ、大根、卵だけのおでんが気になった。「漫画を参考に作ってみよう」。調味料や下処理は母に教わった煮物レシピを参考にした。卵は、登場人物が黄身をだしにといて食べていることから想像して、固ゆでにした。半日煮込んで完成。口に運ぶと漫画のストーリーがよみがえった。「実際の味以上においしく感じた」

　以来、漫画に出てくる料理作りにはまり、「マンガ食堂」というブログ（http://umanga.blog8.fc2.com/)も始めた。約２６０品を掲載。１日３０００人が訪れる人気ぶりだ。