トップページ社会ニュース一覧震源域周辺海底で大きな地殻変動
ニュース詳細

震源域周辺海底で大きな地殻変動
5月19日 11時39分

震源域周辺海底で大きな地殻変動
K10052368511_1205191215_1205191227

去年3月の巨大地震の震源地に近い、日本海溝沿いの海底で大きな地殻変動が続いていることが東北大学などの分析で分かりました。分析した専門家は「周辺の海底では地殻変動によってひずみがたまり、規模の大きな地震が起きやすい状態になっている」と指摘しています。

去年3月の巨大地震のあと、東北や関東の陸地や東の沖合の海底では、「余効変動」と呼ばれる地殻変動が続き、陸側の岩盤がゆっくりと東へずれ動いています。
東北大学などの研究グループが陸や海底に設置されたGPSの観測点や海底水圧計のデータを分析した結果、余効変動は、日本海溝沿いの海底で特に大きく、去年4月からの8か月間では、巨大地震の震源域の北側と南側でおよそ10メートル、房総半島沖ではおよそ7メートルに達していました。
こうした岩盤の動きは、地震の規模に換算するとマグニチュード8.5以上に相当するということです。
余効変動は巨大地震のあとによく見られる現象で、周辺に新たなひずみがたまると考えられています。このため、研究グループは、巨大地震の震源域の北側の青森県から岩手県の沖合や、南側の茨城県から千葉県の沖合、それに日本海溝の東側の海底などで規模の大きな地震が起きやすい状態になっているとみています。
東北大学災害科学国際研究所の飯沼卓史助教は「余効変動は10年以上続く可能性がある。東北や関東の沖合は地震の危険性が高い状態にあるため、これからも地震や津波への備えを続けてほしい」と話しています。

[関連ニュース]
このページの先頭へ