神戸市役所が困惑「半年経ったのに・・・」吉本興業さん、震災復興募金のカネはどこへ?

2012年03月26日(月) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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(1)募金活動を行った証明の写真を提出すること
(2)募金で集めた金額と寄付した先を、振り込み伝票とともに報告すること

 真っ当な募金活動であれば、造作もなくクリアできることだ。

 神戸市役所は吉本興業に対しても、この条件をつけて東遊園地の使用を許可した。相手はあの有名な吉本興業。よもや間違いはあるまいというのが、役所の担当者の感覚だった。

 ところが、である。吉本興業からの報告が、待てど暮らせど届かないというのだ(3月13日時点)。

「報告については、特に期限を設定していたわけではありません。ただ、事後すみやかにお願いしたいとは伝えていた。

 それが、1ヵ月経っても梨のつぶて。仕方なく、昨年の10月ごろから、吉本さんに催促の電話を入れるようになりました。

 連絡すると、『経理が遅れている』とおっしゃる。その後も再三、連絡を入れていますが、今日に至るまでいまだに報告がない。募金活動からもう半年も経ったのに・・・・・・。

 経理など会社の事情もあるのでしょうが、すみやかに出していただきたい。これほど遅れている例は、他にはもちろんありません」(前出の職員)

 市役所が苛立ちを隠さないのにも理由がある。彼らは未処理案件を4月からの新年度に持ち越したくないのだ。職員が続ける。

「催促の電話は、数えてはいませんが7~8回はしたと思います。昨年末にご連絡した時は、『遅くとも1月末までには(報告書を)出します』とお返事をいただいたのですが、その約束も守られなかった。

 このまま報告書が提出されない場合、本来、徴収すべき公園使用料を、吉本さんに請求することも検討せざるをえません。市としては善意で決めた特例ですので、本当はおカネなどもらいたくはないのです。ですから吉本さんには、ルールに則って、一刻も早く報告をしてほしい」

李下に冠を正さず

 別の市役所職員もこう首を傾げる。

「事後報告を求めたのは募金詐欺を防ぐ目的もあります。吉本興業さんほどの企業がそんなことをなさることは考えられませんが、これほど催促しても報告書を出してこない理由がどうにも解せないんです。

 こちらが連絡するたび、吉本さんは『経理が遅れてまして』と言いますが、そんな複雑な経理処理が必要だとも思えない。そもそも、募金は営業収益じゃないわけですから、会社の経理は関係ないのでは・・・」

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