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経済
電力使用制限令 関電「計画停電」避けられず 「制限令出さないのは政府が責任を取りたくないから」
2012.5.17 22:59
政府が今夏、関西電力管内で電力使用の削減を利用者に義務づける電力使用制限令の発動を見送る方針を固めたことで、計画停電の実施が現実味を帯びてきた。政府は関電など4電力会社に計画停電の準備を指示する方針だ。節電が十分に進まず、電力需給が逼迫(ひっぱく)すれば、大規模停電の回避策として残された手段は計画停電しかない。
政府は関電のほか北海道、四国、九州の4電力会社に1日2時間程度の計画停電の準備を指示する。具体的な停電の計画は電力会社が決定するが、東電管内で昨年、実施された計画停電では、都心部は実施エリアからは除外されており、大阪市中心部などは停電の対象外となる見通しだ。
関電管内では気温が1度上昇するとエアコンの利用増などにより70万~80万キロワットの電力需要が増えるとされている。急激な需要増やフル稼働を続ける火力発電所の運転トラブルなど不測の事態が起これば、電力需給が逼迫する可能性は否定できない。
大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働の見通しが立たない状況で、制限令が見送られた以上、関電は電力逼迫時に計画停電のカードを切るしか方策はないのが実情だ。
関電は「公平かつ最小限の影響でおさえる方策を考える」(経営首脳)としている。ただ、社内からは「電力使用制限令を出さないのは、政府が責任を取りたくないから」(関電幹部)との怨み節も聞こえてくる。(内海俊彦)
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