牛生レバー:「禁止は過剰介入」と業界反発

毎日新聞 2012年05月20日 08時00分

 しかし、業界関係者の目には、この対応が「チグハグ」としか映っていない。O157の集団食中毒の多発を受け、厚労省は98年、牛レバーや牛刺し、牛たたきなどについて、トリミングや適正に処理された肉への「生食用」表示などの衛生基準を通知。この時は「生食が国民の生活に定着している」として基準の強化にとどめていた。

 しかし罰則がないことから、通知は形骸化。例えば群馬県が07年に実施した焼き肉店への抜き打ち検査では、122店のうち「生食用」表示を守っていたのは1件だけで、ほとんどが基準自体を知らなかった。都道府県の担当課長でつくる連絡協議会が02年以降、罰則を設けるよう毎年要望していたのに、厚労省が放置していたことも業界の不満を助長した。

 生レバーの「復活」について、厚労省幹部は「安全が確保できればありうる」と話すが、審議会のある委員は「実際には難しい」との見方。大阪市立大の西川禎一教授(食品微生物学)は規制強化はやむを得ないとしつつ「食中毒が重症化しやすい子供や高齢者だけ規制する選択肢もあったのでは」と話す。

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