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帰ってきた弁護士独立開業マーケティング

2012-04-29

責任能力の不思議

刑事事件について前回書いたので、もう1回続けます。(うちの事務所は、東京のA法律事務所キリストだとしたら、洗礼のヨハネにあたるくらい刑事をやってますから、いろいろと言いたいこともあるんです。)

お酒を飲んだ上での犯行の場合、責任能力や原因において自由な行為が問題となりますよね。しかしこれは、人が死んだような場合に争われることはありますが、通常は全く無視されているんです。

お酒の上の犯罪となりますと、私の経験でも、器物損壊が一番多いんです。酔っぱらって、大トラになったうえで、暴れて物を壊す事件ですね。

こういう事件の場合、後から話を聞くと、本人は全く覚えていないというんですね。恐らく本当なんでしょう。(少なくとも、絶対に嘘だといえるよう事実は、どの案件でも見当たりませんでした。)

ところがこういう事件の場合、覚えていない等という言い訳は、検察裁判所も認めてくれません。「覚えていない」なんて言おうものなら、逮捕勾留されてしまうんですね。まさに「人質司法」の面目躍如たるものがあります。

そこでやむを得ず、「かすかに記憶が残っています。やったことで間違いありません。」なんて罪を認めることになるのです。弁護士が入れば、被害弁償をして不起訴になるケースが多いですね。弁償が出来ないときは、略式手続罰金刑になります。

しかし、お酒を飲んで、前後不覚になる状態での犯行となりますと、常識的には責任能力の問題は出てきますよね。ところが、検察庁は、そんなこと全く考えてくれないわけです。

だからと言って、これを裁判で争いますかとなると、そんなことする暇人はいないんです。おとなしく罰金を払って、終わらせてしまうのが、普通の人のすることですね。検察庁も、それを見越して、責任能力の点など無視して来るんでしょう。

どうせ争わないからということで、検察庁が好き勝手にやっている事項は、本件だけではなく、いくつもあるんです。それについて、本当のこのままで良いのか、改善策はないのかということを、学者先生や弁護士会でも問題にして欲しいと思うのですが、そんな動きもないようです。

誰にも取り上げられない論点ですが、私が取りあえず問題提起だけはしておきました!

マーケティングブログのファンマーケティングブログのファン 2012/05/01 07:22 自称ヨハネの先生が無罪判決をとってください。問題提起だけじゃ無意味ですよ。先生は日本でも数少ない刑事弁護の専門家なのですから。

FanFan 2012/05/17 21:21 わかりやすくするためにあえて捨象してるのでしょうが、記憶が無いことと責任能力がないことは別ですよね!?

Fan2Fan2 2012/05/20 07:28 大虎は責任能力の問題ではなく主観的構成要件の故意の問題じゃなかとですか?!

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