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小金井財政 マンガ白書

2012年05月03日

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石塚さんがつくったマンガ財政白書。学園ドラマ仕立てだ

◆ごみ問題・賃貸市役所なぜ?発端
 日野から転入 会社員が制作

 小金井市民が、市の財政を住民目線で読み解く「財政白書」をマンガでつくった。多くの人に興味を持ってもらおうと、仕立ては女子高の学園ドラマ風。市が抱える可燃ごみ問題も取り上げ、ネット上で公開している。

 「で、財政って何?」「小金井市って問題だらけですよね…」。舞台は、学園祭を控えたとある女子高。社会科担当の前原財(たから)先生が、会計係を務める生徒の貫井政(まさ)さんと財政について考えるストーリーだ。

 堅い内容とは裏腹に、絵は美少女マンガ。作者もクマの姿で登場する。21ページにわたって「何にお金が使われているのか」「誰がお金を払っているのか」「小金井市のごみの流れと費用」などを学んでいく。

 制作したのは、会社員の石塚辰郎さん(43)。昨年5月に市内へ引っ越してきた。引っ越して間もなく、自前の可燃ごみ施設を持たずに処理を周辺自治体に依存したり、市役所の一部が賃貸物件だったりすることを知り、市の財政状況に興味を持った。

 以前住んでいた日野市で、市と協力しながら財政白書をつくった経験から、昨年秋に公表された2010年度決算をもとに1人で作業開始。図書館で書き写した決算書の明細を表計算ソフトに入力し、歳入・歳出の内訳や額を分析。教育費や清掃費など市民生活に関係の深い項目ごとにまとめた。わかりやすい文章に加え、グラフやイラストを多く使うことも心がけた。

 お金を持っている割にお金のやりくりが厳しい――。まとめていて気づいた小金井市財政の特徴だ。1人当たりの個人市民税が多摩26市中5番目に多い一方、人件費総額が76億円と異様に高いことに目がとまったという。

 なぜマンガなのか。「とっつきにくい財政白書を読んでもらうにはインパクトが必要だった」と石塚さん。絵心がなく悩んでいたが、マンガ作成ソフトを活用。小金井市の最大の課題であるごみ問題の項目を取り入れた最新版「マンガ版小金井市財政白書」の公開を4月末から始めた。

 財政白書は、何年も続けて推移を見ていくことや、他市とも比較することが大切という。石塚さんはホームページ(http://sites.google.com/site/siminzaiseihakusho/)で情報発信を続けている。「今後も自分のまちの財政に関心を持ち続けたい。また、同様の活動をしている人、興味のある人たちと情報共有できれば」と話している。(津田六平)

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