「竈」の字の書き方
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竈の字について
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塩竈市の『竈』の字については、『竈』と『釜』の両方を使用することが認められています。
『竈』は21画と画数が多く、書き方も難しい漢字ですので、正しい書き順を左に示します。
ちなみに市役所で用いる公用文ではこの『竈』を用いることになっています。 |
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地名の由来 |
海水を煮て塩をつくるかまど(竈)のことを「塩竈」といいました。つまり、もともとは地名ではなく、製塩用のかまどのことを指す名詞でした。以前は日本の各地の砂浜にこのようなかまど(塩竈)があり、これが海辺の風景におもむきを添えていたといわれています。わが郷土も、この竈のある場所として有名になり、それがそのまま地名になっていったといわれています。
塩竈という地名のほかに、国府津(『こうづ』と読み、国府の港という意味です)とも呼ばれていましたが、塩竈神社が、陸奥国の総鎮守(多賀城から見て東北の方角に位置する鬼門を守る意味がある)として建てられ、信仰を集めるようになり、国府津よりも塩竈の方が地名として定着していったものといわれています。
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塩竈か塩釜か |
塩竈市役所で作成する公文書においては、「塩竈」を使用することになっています。ただし、市民の方、あるいは他の官公庁が「塩釜」と表記した文書については、「塩竈」と解釈して受理することとしています。
市役所で、塩竈という表記に統一するようになったのは、昭和16年(1941年)からで、それ以前には、「鹽竈」、「塩竈」、「鹽釜」、「塩釜」など、混在して用いられていました。「鹽」という漢字についは、当用漢字の「塩」を用いてもさしつかえありませんが、「竈」と「釜」では、字義が違っており、本市の地名の由来が、「鹽竈神社」の社号に因むものであるところから、「釜」ではなく「竈」を用いることに統一されました。
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市の名前をめぐる市民アンケート |
昭和56年7月、市の名前についてアンケート調査が行われました。正式な市名は「塩竈」ですが、駅や県・国の機関のほとんどは「塩釜」が使われているため、「塩竈」をこれからも使い続けたほうがよいかどうか、市民の意見をお聞かせいただいたものです。
75歳以下の全有権者(43,226人)から1,500人を抽出し、633の回答を得たアンケートの有効回答数は613(40.9パーセント)。その結果は次の通りでした。
- 現在の市名「塩竈」に不便を感じるか
特に不便を感じない人 54.8パーセント
- 市名を変更したほうがいいか
賛成 66.6パーセント 反対 21.2パーセント
(賛成のうち「塩釜」にという人は94.1パーセント 理由は「一般的」「書きやすい」など)
- そのほかのご意見
由来を大切に継承したい、だれでも書けて読める字にしたい、混乱がなければ併用しても など
現在の市名に特に不便を感じない人が半数以上であること、回収率からみて市名変更の機運にはないと思われることなどから、それまで同様に、「塩竈」を市名とし、公文書などで「塩釜」と表記されても「塩竈」と解釈して受理することになりました。
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