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スウェーデンで「非実在青少年」裁判、マンガ翻訳家が児童ポルノ罪に問われる

  • 2012年05月17日 12:06 発信地:ストックホルム/スウェーデン
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フランス・パリ(Paris)郊外のビルパント(Villepinte)で開催された、漫画やビデオゲームなど日本のポップカルチャーの博覧会「ジャパン・エキスポ(Japan Expo)」(2009年7月2日撮影、資料写真)。(c)AFP/EMILIEN CANCET

【5月17日 AFP】(一部更新)スウェーデンの最高裁判所で16日、日本の漫画の翻訳をしている男性が児童ポルノに当たるイラストを所持していたとして起訴された裁判の被告側反対尋問が行われた。

 この男性は、スウェーデン随一の「マンガ」専門家といわれるシーモン・ルンドストローム(Simon Lundstroem)被告で、性的なポーズをとる女児を描いたイラスト39点をパソコン内に所持していたとして児童ポルノ罪で起訴された。1審では罰金2万5000クローナ(約28万円)、2審では同5600クローナ(約6万3000円)の有罪判決がそれぞれ言い渡されたが、被告側が判決を不服として上訴していた。

 被告側弁護団は、警察が押収したイラストは実在する子どもを描いたものではないと主張。同国の漫画専門家も問題とされたイラストについて、必ずしも子どもを描いたものとは限らないと法廷で証言している。

 弁護団の1人は反対尋問で、スウェーデンと異なり日本は「かわいい」ことを理想視する文化なため「マンガの登場人物たちは幼く見えるが、必ずしも子どもではない」と訴えた。また、別の弁護士は地元テレビに対し、被告がイラストを所持していたのは「研究目的であって、犯罪ではない」と主張。裁判について「不合理さが増す一方だ」と不満を示した。

 一方、児童ポルノの摘発に力を入れるスウェーデン警察は、「性的虐待にさらされる恐れのある子どもたちを、空想のイラストと同レベルに扱うべきではない」と批判。既に警察は虐待の加害者の取り締まりで手一杯で、同裁判の焦点は児童ポルノ対策から外れているとして、「イラストまで捜査対象に加えれば、被害に遭っている子どもたちを助けるための時間が削られてしまう」との見解を示している。

 最高裁判決は数週間以内にも下される見通しだ。(c)AFP

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