小沢一郎民主党元代表に無罪判決が言い渡された26日、県関係の同党国会議員からは小沢氏の早期復権を求める声が出る一方、政策や政局に与える影響への見方は割れた。
同日昼、小沢氏グループ勉強会で所属議員らと笑みを浮かべた加藤学氏(衆院5区)。判決前は不安げな表情も見せていたが「『小沢切り』の根拠はなくなった」。
小沢氏と距離を置く篠原孝氏(同1区)も、消費税増税、環太平洋連携協定(TPP)、原発再稼働をめぐる野田政権や党執行部の進め方を「あまりに強引だ」と批判。小沢氏の党員資格停止処分を早期に解き、小沢氏を含め党内で再議論をするよう求めた。
処分解除を議論する党常任幹事会メンバーの羽田雄一郎参院国対委員長(県区)も小沢氏復権を支持。党内対立が激化するとの見方には「野田首相が小沢氏の力を得て党が一致団結しなければ、国民や野党から消費税増税の理解は得られない」と否定的だ。羽田孜元首相(衆院3区)は「小沢氏は今後、国民のための政治を推進するため、さらに尽力してほしい」とした。
下条みつ防衛政務官(同2区)は、処分解除の判断は党執行部に委ねる姿勢を示した上で「陰でものを言って対立するのでなく、表に出て話し合うことが必要」とした。
一方、野田首相のグループに属する矢崎公二氏(同4区)は「司法判断なので重く受け止める」とした上で「(消費税増税を柱とする)社会保障と税の一体改革関連法案の審議は党内手続きを進めてきたことであり、判決は特段影響しない」と反対派をけん制。処分解除には「私見を述べることではない」とした。
消費税増税を進める立場の津田弥太郎厚生労働政務官(参院比例)は「党内の意見調整に混乱が生じることは否定しない」としつつ、「今は野田政権。首相の方針に党が結束するのが基本」と強調した。
北沢俊美県連代表(参院県区)は「党代表経験者が有罪になれば党全体の不祥事になる。無罪は党にとって真に良いこと」と受け止めた。ただ、党員処分に関わる党倫理委員長にも就いているため、それ以上の言及は避けた。
小沢一郎民主党元代表の無罪判決について、自民党県連会長の吉田博美氏(参院県区)は「無罪であっても元秘書の虚偽記入は認定され、土地購入のための4億円の出どころなど明確でない部分が少なくない」と指摘。小沢氏は国会の証人喚問に応じ説明責任を果たすよう求めた。
党総務会長代理の小坂憲次氏(参院比例、県連副会長)も「政治家としての道義的、倫理的な責任は逃れられない」と強調。一方、無罪判決で小沢氏が「復権」を果たすかどうか、今後の民主党などの対応を注視していくとした。
若林健太氏(参院県区)は「多くの国民は小沢氏に説明責任を果たしてほしいと思っている」とする一方、「小沢問題で政治が停滞、混乱するようなことはあってはならない」と述べた。