小沢一郎民主党元代表の無罪判決に対し検察官役の指定弁護士が控訴した9日、県選出の民主党国会議員からは控訴への批判が相次いだ一方、最終決着の持ち越しが党に与える影響を懸念する声も漏れた。
「残念だ。控訴審でも無罪になる可能性が高いのに、また自由に動けなくなる」。小沢氏グループに属する加藤学氏(衆院5区)は、10日付で党員資格停止処分解除となる小沢氏の完全復権が難しくなるとみて表情を曇らせた。
処分解除を決めた8日の党常任幹事会に出席した羽田雄一郎参院国対委員長(県区)。検察が不起訴としながら強制起訴した事件では一層、推定無罪原則に立った対応が必要な上、一審で無罪判決が示されたのだから「党の判断は妥当。控訴されても変わらない」と強調。控訴自体も「いかがなものか」と批判した。
篠原孝氏(衆院1区)は「明らかな犯罪でもないのに、政治に司法が介入できる(強制起訴の)制度は変えるべきだ。控訴されたからといって、小沢氏の政治活動が制限されるべきではない」。羽田孜元首相(同3区)は「控訴の判断についてコメントすることは差し控えるが、小沢氏には党人としてますます活躍してもらいたい」と、復権を後押しした。
一方、小沢氏の裁判がさらに続くことには、同氏に距離を置く議員も嫌気を示した。矢崎公二氏(同4区)は「小沢氏の個人の問題を、党の問題と捉えるのは間違っている。国民にとって必要なことを政治が進められるよう、影響があってはいけない」と話した。下条みつ防衛政務官(同2区)は、強制起訴制度見直しの必要性を指摘した上で「(控訴は)党にとってプラスではない。小沢氏はもっと表に出て記者会見などで説明した方がよい」と促した。
北沢俊美・県連代表(参院県区)は「指定弁護士が決断したことに、何ら述べることはない」とした。