講義を聞いてて、やっぱ京大の教授ともなるとすげー賢いんだなぁと思った論点。
苦手だった民法がすごく好きになれそうな予感!
考え方も凄いけど、反対説を採っている人を一瞬で違和感なく自説支持に変えさせるレベルの説明は軽く洗脳の域に達してるんじゃねぇすかね・・
受領遅滞とは、民法413条に規定されているもので、一般的には債務者の注意義務の軽減や、危険の負担が債務者から債権者に移転する効果を有するといわれています。
僕は今まで受領遅滞責任はいわゆる法定責任説でもって論証してきました。
<法定責任説>
① 債権は権利であって、あくまで義務ではないから、債務の提供の受領を拒むことが義務違反を構成するということは一般的には認められない。
② そうすると、受領遅滞規定は、債権者により債務の履行が完了できなかった債務者の責任を軽減すべく、法が特別に認めた法定責任である。
⇒ 帰結:受領遅滞は、責任を軽減するような恩賞に与れるような誠実な履行の提供を行っていれば、相手方の帰責事由の有無を問わず、受領しなかっただけで認められる。即ち、履行の提供をすれば受領遅滞責任が生ずる。
⇒ 債権者の受領遅滞は解除原因や損害賠償原因とはならない。
③ ただし、債務の内容・性質から信義則上相手方に受領義務が認められる場合がある。
⇒ この場合には損害賠償請求等も認められる。
これはこれでとてもまとまった説ですよね。。
受領遅滞だけを考えると何の問題もないように見えます。
一方の債務不履行説
<債務不履行説>
① 債権を行使するか否かは債権者の自由であるから、受領義務を一般的に認めることはできないにしても、契約当事者である以上は当該契約の内容に拘束され、契約の目的が実現するよう債務者と協力する義務が、債務の性質や合意の内容から生じるといえる。
② そうすると、そのような義務が認められる場合に、契約目的の実現を害してしまうような履行の提供を拒む行為は、当該契約から生じた義務に違反するものとして債務不履行を構成するのであるから、受領遅滞責任は債務不履行責任の性格をもつものと考えることができる。
⇒ 帰結:受領遅滞は、債権者の契約目的達成への協力義務違反により生じる責任であるから、過失責任の原則の下、受領義務が協力義務として認められ、且つ、受領義務違反につき債権者に帰責事由があることが必要である。即ち、債権者が、自身の責めに帰すべき事由によって契約上の受領義務に違反した場合に受領遅滞責任が生ずる。
といったかんじですかね。
法定責任説が通説であって、こちらは有力説であるとされています。
信義則上の受領義務なのか、契約目的達成義務としての受領義務なのかの違いはありますが、いずれも契約の内容や債務の性質に応じてその有無が判断されるのでありますから、受領義務が生じるか否かの判断にそれほど違いがあるとは思えません。
決定的な違いは相手方の帰責事由を要求するか否か、損害賠償請求権発生原因となるか否か、という点であると思っていました。
僕は債務不履行説は損害賠償や解除を認めるためにわざわざ法定責任説とは違う立場を模索しただけの説にみえて採用するのは避けてきました。
しかし、よく考えてみると、受領遅滞って債務の滅失の危険が債権者に移転するんですよね。
法定責任説って債務の履行の提供さえあれば受領遅滞を認めるんですけど、それって提供さえあれば危険負担が移転してしまうってことになりますよね・・。
そうすると、危険負担における債権者主義の適用を修正し、支配可能性が移転した時にだけ534条1項が妥当するという考え方と整合性とれないんじゃないすかね・・
換言すると、法定責任説は、危険負担に関しては双務契約において両当事者が負う双方債務についての牽連性の原則を看過した考え方であるという風にいうことができます。
この論理矛盾を回避するためには、①債権者主義の運用を債務者主義との並立的なものとする見解に立つか、②受領遅滞の効果としては危険の移転を認めず、その移転は受領義務が生じている場合のみ、即ち信義則上危険が移転しているとするしかないわけです。
開き直って①の見解を採るのもなくはないですが、正直受け入れられる説とはいえないでしょう。
②のような解釈も不可能ではないですが、危険の移転を一般条項から導き出すような、乱暴な論述をするくらいなら素直に契約責任説から説明すればいいような気がするんです。。
因みに、契約責任説によれば、そのような危険の移転は、債権者に帰責事由があって債務不履行を行ったために生じた効果であるといえるため、支配可能性移転説とは両立しうるといえます。
気付かされると、今まで何で法定責任説とってたの俺wwwみたいな感覚になっちゃいますよ。
家に帰って論証パターンをいくつか考えたんですが、上記のような債務不履行説に依るのが一番矛盾なくいけると思いました。
特に、受領遅滞中に目的物が滅失した場合は要注意です。
債務者の救済として代金の請求をする際には支配可能性移転説を採っておきながら、受領遅滞に基づく損害賠償請求において法定責任説をそのまま採用してしまうのは怖いところですねぇ。(普通は履行不能に基づく損害賠償請求をするものですが、目的物の滅失が予見できないものであった場合、実質的救済は受領遅滞に基づくものしかできない可能性もあるのです。)
司法試験の委員会?だかよくわからん連中も半数以上が債務不履行説だそうです。
予備校本や判例のいう法定責任説を疑うことなく書いていたみなさん、今一度受領地帯責任の法的性質を見直してみてはいかがでしょうか!
っと、たまには真面目に法律の勉強の話でしたん!
ドヤ顔で書いてるけど、教授や同輩達に言われたことまとめただけなの出来立てほやほやの自説なんでアラがあるかもっす!そんなときはメールでもコメでもツッコミくだしぁー